持続化補助金で不採択になる「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方の特徴ワースト3

小規模事業者持続化補助金

1.持続化補助金で不採択になる「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方の特徴とは?

 持続化補助金は、販路開拓などを行う小規模事業者を対象とした補助金です。当補助金の申請も、他の補助金制度と同様に計画書の提出が必須ですが、その中の「経営方針・目標と今後のプラン」をどのように書くかで採択の可能性が変わってきます。

 当欄は、これまで見てきた「顧客ニーズと市場の動向」「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を踏まえて、今後どのように事業展開をするのかといった内容を記載する欄ですから、その内容が妥当性を欠いたものだった場合、補助金を有効に活用することが期待できないからです。

 また、公募要領内「審査の観点」にある「書面審査」の項目に「経営方針・目標と今後のプランの適切性」として、当欄に2項目もの審査項目が設けられていること(下図参照)からも、当欄をどのように書くかということは、審査結果に大きな影響を及ぼすでしょう。

小規模事業者持続化補助金<一般型>第13回公募 公募要領より抜粋(一部加工)

 持続化補助金で不採択になる「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方の特徴は、①補助事業の内容がメインになっている、②今後のプランに時間軸がない、③数値目標が示されていない、です。以下で詳しく見ていきます。

■持続化補助金で不採択になる「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方の特徴ワースト1: 補助事業の内容がメインになっている

 持続化補助金に応募するには、当欄が組み込まれている<経営計画>の他に<補助事業計画>も作成する必要があります。<経営計画>はその会社全体の計画であり、<補助事業計画>はその会社が当補助金を使う事業(補助事業)の計画です。

 この<補助事業計画>に記載するべき内容を<経営計画>の「経営方針・目標と今後のプラン」に記載してしまっている例は、非常に多く見られます。ですが、当欄は補助事業を含めた自社全体の計画であることを踏まえ、高所大所からの視点で記載する必要があります。

 書くべき場所に書くべき内容を書かないと、読み手である審査員の混乱を招き、不採択のリスクを高めてしまうので、留意したい点です。

■持続化補助金で不採択になる「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方の特徴ワースト2:今後のプランに時間軸がない

 「経営方針・目標と今後のプラン」に記載された「今後のプラン」に、時間軸が設けられていないケースも相当数を目にしてきました。

 「プラン」とは、何かを実現するために立てた計画と言えます。例えば、旅行のプランを立てるなら、何月何日の何時発の電車に乗って、何時に現地に着いて、何時に現地のどこに行って・・・という形で、時間の概念は必ず盛り込まれるはずです。つまり、時間の概念がないプランは、プランとしての機能を果たすことが困難と言えます。

 自社が記載した「今後のプラン」が、プランとして機能を果たすことが困難と判断されてしまえば、補助金を交付しても有効に活用できることは期待しにくく、不採択のリスクを高めてしまうので、留意したい点です。

■持続化補助金で不採択になる「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方の特徴ワースト3: 数値目標が示されていない

 目標として「顧客満足度の向上」「知名度の上昇」「影響力の増大」といった内容を掲げるケースも相当数を目にしてきました。これらの目標の特徴は、数値化が困難という点であり、そのことは、達成率の測定も困難であることを意味します。

 これらを目標として設定してはいけないわけではありませんが、数値で表すことのできる目標は、達成したかどうか、つまり達成率が100%以上か、それ未満かが分かります。それ未満の場合であっても、達成率98%の場合と10%の場合では、それに応じた戦略の設定が可能になります。

 よって、売上高や利益など数値で表すことのできる目標を設定し、上記のデメリットを解消し、メリットを得ることで、採択される可能性が高まると言えるでしょう。

 以上、持続化補助金に不採択となる計画書の特徴ワースト3を挙げ、その解説をしてきました。不採択を避けるためには「経営方針・目標と今後のプラン」において、①補助事業を含めた全体の計画を示す、②今後のプランに時間軸を設ける、③数値目標を設定する、がポイントとなります。

 これらに注意して、採択の可能性を高めていきましょう。第13回持続化補助金の締切は、2023年9月7日(木)です。ぜひこの機会に挑戦してみてください。なお、次回の記事では<補助事業計画>の「販路開拓(生産性向上)の取組内容」で不採択となる特徴を見ていきます。

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