【イラっと来たら!】自身の怒りをコントロールする5つのステップ

コラム

1.専制型パワハラ上司とは

 以下の記事でパワハラには3つの類型があり、その中に、自分の考え方を押しつけ、暴君のように振る舞う「専制型」というタイプを示しました。
https://www.roadsidekeiei.com/%e6%82%b2%e5%8a%87%e3%81%8c%e8%b5%b7%e3%81%93%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%a7%e3%81%af%e9%81%85%e3%81%84%ef%bc%81%e8%b2%b4%e6%96%b9%e3%81%af%e3%83%91%e3%83%af%e3%83%8f%e3%83%a9%e4%b8%8a/

 このタイプは、ガソリンスタンドの現場でよく目にするタイプであり、怒りをコントロールすることができず、すぐにカッとなり怒鳴ってしまったり、皮肉を言ったりする特徴があります。ですが、それによって職場の生産性が低下することが明らかになっています。

2.プロジェクトアリストテレスが導き出した効果的なチームの要素

 2012年から2015年にかけて、Googleは「プロジェクトアリストテレス」と呼ばれる大規模な研究プロジェクトを実施しました。その目的は、「効果的なチームとは何か」を科学的に解明することでした。

 研究チームは、Google社内の様々なチームを対象に、250以上のインタビューと50回の観察を行いました。そして、膨大なデータを分析した結果、効果的なチームを構成する5つの要素を発見しました。

「以下の5要素はGoogle社でねくても、参考にできるっきゃ」

(1)心理的安全性

  • チームメンバーが安心して意見やアイデアを共有できる環境であること。
  • 他のメンバーに「無知」「無能」「邪魔」といったネガティブな印象を与える行動をしても、「このチームなら大丈夫だ」と信じられるメンタル状況を意味します。

(2)信頼性

  • チームメンバーが互いを信頼し、責任を果たせること。
  • お互いに信頼しあっているチームのメンバーは、各自の仕事をハイクオリティかつ時間内に仕上げる傾向があります。

(3)構造と明確性

  • チームの目標、役割、責任が明確に定義されていること。
  • チームがどのように協力して仕事に取り組んでいるかが重要です。

(4)意味

  • チームの仕事が重要であり、価値があると感じられること。
  • チームメンバーは、仕事に対する目的や意義を理解し、モチベーションを高めることができます。

(5)影響力

  • チームの仕事が組織に貢献し、影響を与えていると感じられること。
  • チームの活動が組織全体に影響を及ぼすことで、メンバーはやりがいを感じます。

 職場の上司が怒りを露わにすることによって、上記の効果的なチームの要素は喪失していきます。結果として、チームとしての効果は発揮されにくく、生産性が低下していくことになります。では、上司は自身の感情をどのようにコントロールすればよいのでしょうか。

3.自身の怒りとの向き合い方

 私たちは、社会生活を送る中で様々な「べき論」を抱えます。それは、親や教師から教えられたもの、社会の規範に基づいたもの、あるいは自分自身で課したものです。

「抱え込み過ぎだっきゃね」

 しかし、これらの「べき論」は、必ずしも自分にとって最善とは限りません。むしろ、抱えている 「べき論」によって、不必要な怒りが湧くこともあります。そこで、どのように「べき論」と向き合うべきかについて説明します。

ステップ1:自分の「べき論」に気づく

 まず、自分がどのような「べき論」を持っているのか気づくことが大切です。

  • 怒りの感情を感じた時に、どのような状況だったのかを振り返ってみましょう。
  • その状況において、自分がどのような「べき」を考えていたのかを思い出してみましょう。

 例えば、部下がミスをしたことに腹が立った場合、「この程度の仕事は完ぺきに遂行するべきだ」という「べき論」を持っているのかもしれません。

ステップ2:「べき論」の妥当性を考える

 自分の「べき論」に気づいたら、その「べき論」が妥当かどうかを考えてみましょう。

  • 自分の「べき論」は、現実的に可能なものなのかを考えましょう。
  • 自分の「べき論」は、本当に守る必要があるものなのかを考えましょう。

 例えば、部下がミスをしたことに腹が立った場合、「この程度の仕事は完ぺきに遂行するべきだ」という考え方が本当に正しいのでしょうか?部下の成長段階や状況によっては、ミスが避けられないこともあるでしょう。

ステップ3:必要のない「べき論」を手放す

 自分の「べき論」について考えた結果、必要のないものであれば、手放しましょう。

  • 必要のない「べき論」を手放すことで、気持ちが楽 になります。
  • 必要のない「べき論」を手放すことで、新しい考え方ができるようになります。

 例えば、部下がミスをしたことに腹が立った場合、「この程度の仕事は完ぺきに遂行するべきだ」という考え方を手放すと、ミスを起こしにくい指示の出し方を考えるようになるかもしれません。

ステップ4:自分にとって必要な「べき論」を見直す

 必要のない「べき論」を手放した後は、自分にとって必要な「べき論」を見直しましょう。

  • 自分の価値観に基づいた「べき論」であることが重要です。
  • 守ることができそうな「べき論」であることが重要です。
  • 自分自身を成長させるための「べき論」であることが重要です。

 例えば、部下がミスをしたことに腹が立った場合、「部下がミスをしないように上司としてサポートするべきだ」という考え方が必要な「べき論」となるかもしれません。

ステップ5:状況に応じて柔軟に対応する

 どんなに良い「べき論」を持っていても、状況によっては通用しない こともあります。

  • 状況に応じて、柔軟に対応することが大切です。
  • 必要に応じて、「べき論」を修正することも必要です。

 例えば、部下がどうしてもミスしてしまう場合は、一緒にその仕事をするなど、状況に応じて対応を変える必要があります。

4.まとめ

「自分ど向ぎ合うのさね」

 怒りのコントロールができない専制型パワハラ上司は、職場の生産性を低下させ、最悪の場合は離職者を増やす原因にもなります。チームの効果を生み出すためには、心理的安全性を確保し、信頼関係を築き、チームの目標を明確にし、仕事に意味を見出すことが重要です。

 しかし、専制型パワハラ上司が存在する職場では、これらの要素が失われ、チームとしての効果が低下してしまいます。そこで、この記事では、専制型パワハラ上司の怒りコントロール方法について解説しました。

 ポイントは、自分の「べき論」に気付き、必要のないものは手放し、自分にとって必要な「べき論」を見直すことです。また、状況に応じて柔軟に対応することも大切です。

 怒りに振り回されず、建設的なコミュニケーションを心がけることで、より良い職場環境を作ることが期待できます。まずは、自分が怒っているという事実を認めることから始めてみてはいかがでしょうか。

【弊社ホームページ】
https://www.roadsidekeiei.jp/

タイトルとURLをコピーしました