小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)は、文字通り小規模事業者を対象としていますが、何をもって「小規模」というのでしょうか。また、この定義を満たしたとしても、当補助金に応募できない場合が細かく設定されており、これを認識せずに申請の準備をしても徒労に終わってしまいます。
そこで今回の記事では、2023年9月12日に下記サイトで公開された、持続化補助金第14回の公募要領に基づき、当補助金を活用できる方、すなわち補助対象者について主だったポイントについて解説をしていきます。なお、詳細は公募要領や参考資料をご確認ください。
【商工会議所管轄地域で事業を営んでいる方向け】
https://s23.jizokukahojokin.info/
【商工会管轄地域で事業を営んでいる方向け】
https://www.shokokai.or.jp/jizokuka_r1h/
1.【2023年12月12日締切】小規模事業者持続化補助金<第14回>の補助対象者をわかりやすく解説!
■業種の定義
当補助金では、常時使用する従業員の数で小規模事業者か否かを判断することになっていますが、これらは業種によって異なり、持続化補助金<一般型>第14 回公募参考資料によると以下に分類されます。
(1)商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)
(2)宿泊業・娯楽業
(3)製造業その他
(1)商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)
- 参考資料には「他者から仕入れた商品を販売する(=他者が生産したモノに付加価値をつけることなく、そのまま販売する)事業」とありますが、例えば野球用のグローブを仕入れて販売するスポーツ用品店など、モノを仕入れてそのモノを売るといった業種が対象になると考えられます。
- 同じく参考資料には「在庫性・代替性のない価値(=個人の技能をその場で提供する等の流通性がない価値)を提供する事業」とありますが、例えば施術を提供するマッサージ店など、モノではなくサービスを売るといった業種が対象になると考えられます。
(2)宿泊業・娯楽業
- 参考資料には「宿泊を提供する事業(また、その場所で飲食・催事等のサービスを併せて提供する事業も含まれる。)<日本標準産業分類:中分類75(宿泊業)>」とあり、具体的には、ホテル・旅館・民宿などが挙げられます。
- 同じく参考資料には「映画、演劇その他の興行および娯楽を提供する事業、ならびにこれに附帯するサービスを提供する事業<同:中分類80(娯楽業)>」とあり、具体的には、映画館・劇場などが挙げられますが、マージャン店・パチンコ店・ゲームセンター店等、性風俗関連特殊営業等は対象外となっています。
(3)製造業その他
参考資料には「自者で流通性のあるモノ(ソフトウェアのような無形の商品や無形の価値を含む)を生産する事業」、「他者が生産したモノに加工を施したりするなどして、更なる価値を付与する事業(在庫性のある商品を製造する事業)」とあります。
また、「調理技能を用いて生産した料理をその場で提供するのみ」飲食店は、商業・サービス業に該当するとしており、イートインのみの形態を指していると解釈でき、「調理技能を用いて流通性のある弁当、総菜、お土産を作っている」飲食店は、製造業に分類されるとしており、テイクアウト形態を指していると解釈できます。
なお、上記の定義に当てはめることが難しい事業(建設業、運送業等)や、区分が異なる複数の事業を営んでいるなど判断が難しい場合は、「その他」として「製造業その他」の従業員基準を用いるという記載もあります。
■従業員数
当補助金で対象となる事業者は下記の「常時使用する従業員」数で決まります。
(1)商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
(2)宿泊業・娯楽業 20人以下
(3)製造業その他 20人以下
この「常時使用する従業員」に会社役員、個人事業主本人と同居する親族従業員、パートタイマーは含まれません。ただし、従業員を兼務する会社役員は「常時使用する従業員」にカウントされます(下図参照)。
■補助対象者の範囲
会社、個人事業主の他、一定の要件を満たした特定非営利活動法人は補助対象者ですが、医師や売上の100%が農協となっている個人農業者、一般社団法人などは補助対象外となっています。下図をご参照ください。
■過去の採択者に対する制限
また、過去の採択者については、以下の制限があります。
今回の記事では、持続化補助金第14回の公募要領に基づき、補助対象者に関して、①業種の定義、②従業員数、③補助対象者の範囲、④過去の採択者に対する制限、について述べました。次回は当補助金の賃金引上げ枠について見ていきます。
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