そのガソリンスタンドのエンジンオイル半額セールはなぜ失敗に終わったのか

コラム

1.はじめに

  この記事では、あるガソリンスタンドが実施したセールの失敗を通じ、その要因と今後の対策案を提案します。この記事の対象者は、ガソリンスタンドの経営者やリーダーの他、顧客とのコミュニケーションに携わる方、販促策を企画立案する立場の方です。

 この記事を最後まで読むことで、販売促進策を立案する際の有効な着眼点を得られるでしょう。では、本題に入っていきます。

2.なぜ追加販売が受け入れられなかったのか

 あるガソリンスタンドがエンジンオイルの半額セールを実施しました。店舗としては、オイルの利益は削られますが、オイル交換をする顧客を増やし、その際にフラッシングの実施やオイルフィルターの交換に応じていただき、収益性を高めようという意図がありました。

 結果としてエンジンオイルの販売量は通常の2倍となりました。しかし、フラッシングやオイルフィルターの販売は促進されず、忙しい思いをしたものの収益は変わりませんでした。なぜこのような結果になってしまったのでしょうか。

追加販売を受け入れられなかった理由(1)顧客への説明不足

 フラッシングは、新たなオイルを注入する前に、専用の洗浄剤を使用してエンジン内部の汚れを除去する作業です。これを行うことで、エンジン内部を清潔な状態に保ち、本来の性能を引き出すことができます。燃費向上やエンジン音の静粛化にも効果が期待できます。

 オイルフィルターは、エンジンオイルをろ過することで、汚れや金属粉を除去し、エンジンを保護する重要な役割を担っています。しかし、オイル交換2回に1回は同時に交換しないと、せっかく新しいオイルを入れてもすぐに汚れてしまいます。

 このような知識をしっかり持っている顧客は多くないはずです。同店は、これらの説明を省き、半額でオイル交換を受注した際に「フラッシングとオイルフィルターはどうしますか?」という問いかけに留まっており、それらに応じる顧客は少なかったと言えます。

追加販売を受け入れられなかった理由(2)不信感を招く戦略

 半額のエンジンオイルをおとりにして、フラッシングやオイルフィルターを勧めるという、ガソリンスタンドの戦略が見え見えだったからという点も、顧客が追加販売に応じなかった理由として挙げることができます。

 例えばスーパーで、卵1パック98円というセールをしたとします。このセールは卵を集客の目玉として、関連購買を意図していますが、卵を買いに行った際にスタッフからあれこれ勧められると、顧客は嫌な気分を味わうかもしれません。

 同様に前述のガソリンスタンドがとった、半額セールという目玉商品で顧客を呼び込み、オプションを勧めるという戦略に、顧客は不信感を抱いた可能性があります。

 また、購買時に関連購買をしたがる顧客心理が減退したことも考えられます。これについては以下で詳しく見ていくとともに、このようなキャンペーンを成功に導く対策も述べていきます。

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