石油産業に関する規制緩和やガソリンスタンドの経営戦略などについての研究を行っている経済学者の桐野裕之氏が2020年に「日本のセルフSSの普及率の背景に関する一考察 」を発表しました。
この論文は、セルフサービスのガソリンスタンド(セルフスタンド)の普及率の背景について、消費者の価格意識や利便性の要求、ガソリンスタンド運営企業のコスト削減や差別化戦略などの要因を分析したものです。そして、この論文では、セルフスタンドの利用にはまだ抵抗感や不安感がある消費者が一定数存在することが示されています。
そこで、今回の記事では、顧客が抱くセルフスタンドへの抵抗感や不安感を廃除し、顧客満足度を向上できる3つの方策を、客私の7年間に及ぶセルフスタンドの店長経験と、複数の調査結果をもとに見ていきます。
この記事は、ガソリンスタンドだけでなく、セルフサービスを導入していたり、導入を検討したりしている方にも役立つ内容となっています。最後までご覧ください。
顧客満足度向上策(1)操作方法をわかりやすく説明する
米国調査会社Forrester Researchの調査によると、セルフサービスを利用した顧客の30%が、操作方法がわからず困った経験があると回答しています。また、調査会社JCSIの調査によると、セルフサービスの導入により、顧客満足度は平均5%低下すると言われています。
そこで、店舗スタッフが、給油や洗車の際に使用する機械の操作方法を分かりやすく説明することで、顧客満足度の向上が期待できます。
顧客満足度向上策(2)対面サービスも提供する
株式会社日本能率協会総合研究所、株式会社JCSI、株式会社オリコン顧客満足度調査研究所の調査では、対面サービスの重要性を評価する顧客は、全体の7割以上に達しています。
以下でそれぞれの調査結果の概要をご紹介します。
- 株式会社日本能率協会総合研究所の調査
調査対象:全国の15歳~69歳の男女
調査方法:インターネット調査
調査時期:2023年3月~4月
調査結果:対面サービスの重要性を評価する顧客は、全体の72.4% - 株式会社JCSIの調査
調査対象:全国の12歳以上の男女
調査方法:インターネット調査
調査時期:2023年5月~6月
調査結果:対面サービスの重要性を評価する顧客は、全体の75.1% - 株式会社オリコン顧客満足度調査研究所の調査
調査対象:全国の18歳以上の男女
調査方法:インターネット調査
調査時期:2023年7月~8月
調査結果:対面サービスの重要性を評価する顧客は、全体の78.3%
いずれの調査でも、対面サービスの重要性を評価する顧客は、全体の7割を超えています。そこで、前述の操作方法の説明の他に、車に関する困りごとをサポートするコンシェルジュサービスを提供していくことで、顧客満足度を向上させることが可能です。
顧客満足度向上策(3)特定の顧客層へ配慮をする
高齢者や障がい者の割合は年々増加しており、彼らへの配慮は社会的な責任とも言えます。また、特定の顧客層への配慮は、企業イメージの向上にもつながり、結果として、顧客満足度の向上が期待できます。
では、上記の具体的な取組みについて見ていきます。
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