バーナム効果とは?心理学の知見をガソリンスタンドのマーケティングに活かす方法

コラム

■バーナム効果とは?

 バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような曖昧な記述に対して「自分のことを言い当てている」と感じる心理効果のことです。この記事では、バーナム効果が、どのように実証されたか、そして、ガソリンスタンドのマーケティングに、どのように活用できるかを解説します。

 バーナム効果を理解することで、貴社の商品やサービスを顧客自身にぴったりだと思わせることができます。この記事では、ガソリンスタンドを例に述べていきますが、他の業種にも役立つ内容になっていますので、最後までご覧ください。まずは、バーナム効果の実験について見ていきます。

■心理学者フォアの実験とは?

 バーナム効果について、1948年にアメリカの心理学者バートラム・フォアが以下の実験を行いました。

 フォアは、学生たちに性格についての心理検査を実施し、その検査の結果に基づく分析と称して、以下のような文章を与えました。

 「あなたは他人に好かれたいと思いながらも自分を厳しく見ています。弱みを乗り越える力と隠れた才能を持っています。表面は冷静ですが心は不安定です。自分の判断や行動に疑問を持ちます。変化や多様性を求め、制約や限界に不満を感じます。自分の考えに誇りを持ち、他人の意見に流されません。しかし、自分のことを他人に見せすぎないように気を付けます。時には社交的で愛想がよく、時には内向的で慎重です。願望は現実離れしていることがあります」

 この文章は、星座占いの文章を組み合わせて作ったもので、誰にでも当てはまるような内容です。しかし、フォアは学生たちに、この文章が自分にどれだけ当てはまっているかを0(まったく異なる)から5(非常に正確)の段階で評価させたところ、平均点は4.26でした。つまり、学生たちはこの文章が自分にぴったりだと感じてしまったのです。

 この実験は、バーナム効果の存在を示す有名な例となりました。バーナム効果は、後にポール・ミールによって命名され、個人に特定されたように錯覚させる一般的な記述を指す心理学の現象として定義されました。

■バーナム効果が起こる理由

 この効果を活用して、占いであれば「あなたは今、悩んでいることがあるようですね」と言って信頼を獲得する手法があります。占いに訪れる人のほとんどは悩みを抱えていますので、このように言えば、ほぼ誰にでも当てはまるわけですが、言われた方は、自分の内面を言い当てられたという気になってしまいます。

 人間は、自分にとって都合の良い情報や、自分の期待に沿った情報を信じやすい傾向があります。これを確証バイアスといいます。また、人間は、自分のことを他人よりも特別だと思いたいという欲求があります。これを自己愛といいます。これらの心理が、バーナム効果を引き起こす原動力となっています。

 では、ガソリンスタンドがこの効果を使って、どのように告知を行えば効果的なのかを例に挙げて解説します。

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