1.はじめに
この記事では、「ボボ人形実験」を通じて他者の影響が、行動や学習に与える影響を解説し、それを基にガソリンスタンドにおける新人スタッフの効果的な育成方法について提案します。
ガソリンスタンドは、扱う商品の差別化が難しく、人材のサービス力向上が収益性向上に繋がる中、OJT(On-the-Job Training)を活用し、アルバイトスタッフがトレーナーを務めるアプローチに焦点を当てています。
この記事の対象者は、ガソリンスタンドの経営者や管理職、スタッフ育成に興味のある小売業やサービス業の従事者です。では、本題に入っていきます。
2.OJTは機能している?
スタッフの能力開発は、サービス力向上のための重要な取り組みであり、ガソリンスタンド含め、多くの企業がOJTを実施しています。
OJTは、仕事を通して実践的なスキルを習得していただくものです。トレーナーによる指導やフィードバックを通じて、業務に必要な知識や技術を身につけ、顧客への対応力や問題解決能力を向上させることができます。ですが、OJTはあまり機能していないという調査結果もあります。
上の調査結果では、回答企業の9割近くがOJTを中核とした人材育成を行っているにもかかわらず、それが「機能している」と回答した割合は1割強にとどまっています。つまり、多くの企業はOJTを中心に人材育成をしているにもかかわらず、その効果は十分に発揮されていないという現状があることが分かります。
以下では、OJTを機能させ、成果に繋げるための方策を検討していきます。
3.「ボボ人形実験」の教え
「ボボ人形実験」とは、カナダの心理学者であるアルバート・バンデューラが1961年に行った実験のことです. この実験では、大人が人形に対して暴力的な行動をする様子を子供たちが観察した後、自分たちも同じように人形に対して暴力的な行動をするかどうかを調べました。実験の詳細については、以下のようになります。
- 3歳から6歳の子供たちを集め、3つのグループに分けました。
- 第1グループには、大人のモデルがボボ人形を攻撃する様子を見せました。
- 第2グループには、大人のモデルがボボ人形を攻撃しない様子を見せました。
- 第3グループには、大人のモデルを見せず、ただおもちゃで遊ばせました。
- その後、子供たちを別室に連れて行き、ボボ人形を使って遊ばせました。
その結果、第1グループの子供たちは、大人がボボ人形に対して暴力的な行動をしたように、ボボ人形に対して暴力的な行動をする傾向があることが示されました。
この実験は、人間の行動や心理は、自分自身の経験だけでなく、他者の観察や模倣によっても形成されることを示しました。
この実験結果を踏まえると、ガソリンスタンドで新人スタッフにOJTを実施する場合、トレーナーは店長ではなく、ある程度経験を積んだアルバイトスタッフが担う方が、効果が期待できると言えます。
以降では、アルバイトスタッフがトレーナーを担うべき理由とそのリスクや対策を述べていきます。
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