1. 中古車販売店の経営革新計画で、業績アップを実現するビジョンの描き方
中古車販売業界は、一部大手企業の不正による風評被害により、業績が厳しい状況にありますが、かつて弊社が経営革新計画の作成・実施のご支援をした結果、業績を回復させた中古車販売店があります。
このご支援は、私が持つガソリンスタンド運営会社勤務時代の20年以上に及ぶ現場経験と、中小企業診断士として経営革新計画策定支援を200件以上実施した経験が評価されて、ご依頼を受けたものです。
そこで、中古車販売店の業績アップに貢献するべく、中古車販売店の経営者や、その支援に携わる方向けに、このご支援を事例としてご紹介し、経営革新計画の作成方法を解説していきます。
同店の経営革新計画は、以下の構成となっていますが、今回は「4.当社の5年後のビジョン」について、その記載方法を述べていきます。
なお、経営革新計画の制度内容については以下の記事をご参照ください。
■ビジョンとは?
ビジョンとは、自社がどのような存在であり、どのような価値を提供し、どのような方向性を持っているかを示すものであり、経営革新計画の策定において重要な役割を果たします。ビジョンが明確になっていれば、経営陣や従業員が同じ方向を向いて歩むことができ、目標達成に向けて一致団結して取り組むことができます。
同店の場合は、5年後の売上高・人員・事業規模をビジョンとして示しましたが、理念や使命に基づき、もっと広い視野で設定することも一考です。例えば「地域に根ざした中古車販売店として、お客様に安心・安全な中古車を提供し、地域社会に貢献する」といった内容が挙げられます。
なお、経営革新計画の期間は3~8年の間で選択することが可能です。同店は5年間の経営革新計画を作成したので、5年後のビジョンを設定しました。
■効果的なビジョンとは?
ビジョン策定の際は、以下を意識し、効果的なものを策定する必要があります。
- 明確性:ビジョンは、誰が見ても理解できるような明確な言葉で表現する必要があります。曖昧なビジョンでは、経営陣や従業員が同じ方向を向いて歩むことができません。
- 実現可能性:ビジョンは、現実的で達成可能なものである必要があります。現実離れしたビジョンでは、従業員のモチベーションを低下させる可能性があります。
- 挑戦性:ビジョンは、自社の成長を促すような、高いものである必要があります。挑戦的なビジョンであれば、従業員のやる気を向上させることができます。
- 整合性:ビジョンは、経営理念や経営戦略と整合性が取れている必要があります。ビジョンが理念や経営戦略と矛盾していると、実現が困難になる可能性があります。
- 共有性:ビジョンは、全社員に共有し、理解と共感を得る必要があります。ビジョンを達成するためには、全社員が同じ方向を向いて歩むことが大切です。
■ビジョン策定の留意点
ビジョン策定の留意点としては以下が挙げらます。
- 現状分析を十分に行う:ビジョンを策定する前に、自社の強みや弱み、業界のトレンドや今後の展望を十分に分析する必要があります。現状を正しく把握することで、より現実的なビジョンを策定することができます。
- 多様な視点を取り入れる:ビジョンを策定する際には、経営陣だけでなく、従業員や顧客など、多様な視点を取り入れる必要があります。多様な視点を取り入れることで、より多くの人の共感を得られるビジョンを策定することができます。
■まとめ
中古車販売店の経営革新計画で、ビジョンを策定する際には、明確性、実現可能性、挑戦性、整合性、共有性の5つのポイントを押さえることが重要です。また、現状分析を十分に行い、多様な視点を取り入れるようにしましょう。
中古車販売店の経営者や、その支援に携わる方々が、本記事の内容を参考にして、経営革新計画を作成・実施し、業績アップにつなげられることを願っています。
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