1.ガソリンスタンドが直面する課題
ガソリンの需要が減少傾向にある中、ガソリンスタンドが生き残るためには、顧客との信頼関係を築き、地域に根差した経営を行うことが重要です。
これにより、他店から顧客を流入させて客数を増やしたり、洗車やタイヤなど油外商品の販売を通じて客単価を向上させたりすることが可能になります。そこで、今回の記事では、地域密着型経営の参考事例として、家電販売店とガソリンスタンドの事例をご紹介します。
2.でんかのヤマグチの事例:地域密着型経営の成功モデル
東京都町田市と神奈川県相模原市を商圏とする家電販売店「でんかのヤマグチ」。創業57年を超えた今も顧客の要望にきめ細かく応え続け、「遠くの親戚より近くのヤマグチ」と言われるほど、顧客との関係性を構築しています。
その営業手法が注目を集め、テレビ東京「カンブリア宮殿」、TBSテレビ「坂上&指原のつぶれない店」など多くのマスコミ媒体に取り上げられただけでなく、東京商工会議所「勇気ある経営大賞」特別賞などの各章を受賞しています。
同店は大手家電量販店6社に囲まれ、価格競争で苦戦した結果、資金繰りが悪化していた時期があります。当時の同店は、30,000件の顧客カルテに基づき月1回ペースで顧客宅を訪問し、家電の困りごとに対応していました。
そんな中、この顧客カルテを分析した結果、20,000件は5年間購買履歴がないことに気が付きます。そこで、これら顧客への訪問を中止し、5年以内に購入履歴のある10,000件の顧客への訪問を月3回に増加。同時に、利益を出して生き残るべく、家電量販店よりも高い価格設定で販売することにしました。
それまで月1回の訪問頻度が3回になったことから、家電の困りごとだけでなく、雑談を通じて家電以外の困りごとも聞き、無料で解決する「裏サービス」を開始。庭の水やりやタンスの移動など、生活全般をサポートすることで、顧客との信頼関係を築きました。
これにより、他店よりも高い価格設定にも関わらず、家電販売が促進され、気が付くと同店を囲む形で立地していた大手家電量販店6社のうち2社が撤退していました。
コロナ禍でも、でんかのヤマグチは感染防止対策を徹底し、基本的に顧客宅への訪問を続けています。買い控えが強まった結果、売上高はコロナ禍以降、年に2~3%、3年で10%減少しましたが、2022年9月の決算時点で粗利益率は44.2%となりました。これは家電量販店6社に囲まれていた頃の26~27%と比べて大幅に向上しています。
以降では、でんかのヤマグチの営業手法がもたらした心理効果と、地域密着型の事業展開をするガソリンスタンドの事例をお伝えします。
ここからの記事は有料(880円)ですが、メルマガに登録の上、読みたい有料記事のタイトルをメールしていただければ(メール1通につき、タイトル1つでお願いします)、ご希望の多かった記事の有料部分を毎週日曜日に配信をします。登録はこちらから↓↓↓
メルマガ登録フォーム This form is created with formrun. form.run
なお、有料で読まれる方は、以下のリンク先からご購入手続きをお願いします。「ご指定のページが見つかりません」と示されていても、リンク先に移動できます。https://note.com/roadside/n/n505e7dccc5d5