スタッフが声掛けしないのはなぜか?後悔回避バイアスを踏まえた油外商品販売の方策

コラム

1.はじめに

 後悔回避バイアスとは、人々が将来の後悔を避けようとする心理的傾向のひとつです。本記事では、この心理的傾向が油外商品の販売にどのような影響を与えるかを探ります。ガソリンスタンド経営者や販売促進に携わる方々にとって、後悔回避バイアスを理解することは業績拡大に直結する重要なポイントと言えます。

 また、後悔回避バイアスを踏まえた採用するべき人材や、部下への接し方についても解説します。この記事を最後まで読むことで、油外商品の販売促進における新たな視点や具体的な行動戦略を得ることができます。では、本題に入って行きましょう。

2.後悔回避バイアスの具体例

 人は、同じ金額の利益を得ることよりも、損失を回避することに強い動機付けを感じる傾向があり、損失が利益よりも心理的に大きな影響を与えることが原因となっています。

 例えば、投資で10万円を得ることよりも、投資で10万円を損することを避ける傾向が強いということです。

 このことは、行動を起こして損をするよりも、行動を起こさずに損をする方が、気持ちが楽であることに繋がります。この例として、以下が挙げられます。

  • いつも飲んでいるビールを買ってしまう
  • レジ待ちの行列に並んでいる際に、隣の行列の人数が短くなっても最初の行列に並び続ける
  • 飲食店で友人と同じメニューを頼んでしまう

 これを踏まえて、ガソリンスタンドにおける販売を考えてみましょう。

3.後悔回避バイアスと油外商品の販売

 ガソリンスタンドで洗車やタイヤなど油外商品を販売する場合、顧客に声を掛けるかどうかは重要な判断となります。声を掛けなければ、販売機会を失い、業績拡大の機会を失うリスクがあります。しかし、声を掛けて断られた場合、後悔や自己否定感を感じてしまうリスクもあります。

 後悔回避バイアスが働くと、業績拡大の機会を失うリスクよりも、後悔や自己否定感を抱いてしまうリスクの方が、ダメージが大きいので、声を掛けなくなってしまいます。つまり、スタッフは油外商品販売のために、声を掛けるという行動に、大きなリスクを感じているということです。

 そこで、声掛けを積極的に行って油外商品の販売を拡大していくためには、リスク選好型の人材を雇うこと声掛けをしたらその行為を承認することが挙げられます。以下ではこれら方策を具体的に説明していきます。

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