心理的安全性を高めるためにガソリンスタンドの店長がとるべき2つの行動

コラム

1.心理的安全性とは

 本記事では、近年注目されている心理的安全性を取り上げ、その意味と重要性、リーダーが心理的安全性を高める方法について解説します。

 心理的安全性とは、チームメンバーが安心して意見を述べ、アイデアを共有できる環境を指します。これは、ミスや失敗を恐れずに発言できる環境であり、互いを尊重し、学び合う文化が根付いていることを意味します。

「言えることは癒えることなのっ!」

 近年、心理的安全性が注目されている背景には、グーグル社が実施した「プロジェクトアリストテレス」という研究で、心理的安全性の高いチームは、そうでないチームよりも高い業績を上げる傾向があることが明らかになったことがあります。

 以下では、この「プロジェクトアリストテレス」についてご説明します。

2.プロジェクトアリストテレスとは

 プロジェクトアリストテレスは、グーグルが2012年から2015年にかけて実施した研究プロジェクトです。その目的は、「効果的なチームとは何か」を科学的に解明することでした。

 プロジェクト名は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスの言葉「全体は部分の総和に勝る」に由来しています。これは、個々の能力の合計よりも、チーム全体の力の方が重要であるという意味です。

 プロジェクトアリストテレスでは、グーグルの様々なチームを対象に、250以上のインタビューと50回の観察が行われました。その結果以下に示した5つの要素が、効果的なチームを特徴づけることが明らかになりました。

「え。ヒーローインタビューじゃなかったの?」
  1. 心理的安全性: チームメンバーが安心して意見やアイデアを共有できる環境であること
  2. 信頼性: チームメンバーが互いを信頼し、責任を果たせること
  3. 構造と明確性: チームの目標、役割、責任が明確に定義されていること
  4. 意味: チームの仕事が重要であり、価値があると感じられること
  5. 影響力: チームの仕事が組織に貢献し、影響を与えていると感じられること

 これらの要素は、相互に関連し、補完し合っています。その中でも、心理的安全性の高い環境では、メンバーは安心して意見を交換し、互いを信頼し、チームの目標に向かって協力することができます

3.日本の中小企業にとっての心理的安全性

 プロジェクトアリストテレスは、グーグルの社員を対象として調査・研究をしたものです。グーグルは欧米企業であるとともに、その社員は優秀な方が多いため、欧米文化の企業で優秀な方がひしめき合う環境であれば、心理的安全性をはじめとした上記の要素が、効果的なチームにするために有効と言えます。

 これに対して、日本のガソリンスタンド運営会社を含めた中小企業は、上下関係が重視され、人材の質も玉石混交です。このような場合に、プロジェクトアリストテレスが導き出した結果が当てはまるかどうか懐疑的な見方もあります。

 とはいえ、ガソリンスタンドは伝統的に人材不足であり、優秀な人材を引き留め、活躍していただくために、職場に高い心理的安全性が必要と言えます。

 そこで、心理的安全性の重要性は、国の文化や企業の規模に限らず、あらゆる組織に共通するという認識の下、リーダーとして心理的安全性を高める方法をご紹介します。

「心理的安全性を高める方法、知りたくない?」

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