1.持続化補助金創業枠で惣菜店開業!経営計画「顧客ニーズと市場の動向」の書き方
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が行う販路開拓や、生産性向上などの取組みに要する経費の一部を補助するものです。創業枠は、創業3年以内の事業者を対象とした特別枠であり、補助率は2/3のままで、補助上限額は通常枠の4倍の200万円です。
当補助金に応募するには、以下のサイトでダウンロードした申請書類に記載し、書面審査を通過する必要があります。
【商工会議所の管轄エリアで事業展開をする方向け】
【商工会の管轄エリアで事業展開をする方向け】
上記サイトからダウンロードできる申請書類のうち、様式2と3の経営計画と補助事業計画の完成度が採択に大きな影響を及ぼしますが、当記事では当補助金の創業枠に採択された事業者の様式2、経営計画「顧客ニーズと市場の動向」の書き方を見ていきます。
■「顧客ニーズと市場の動向」とは?
「顧客ニーズと市場の動向」は、事業計画の実現可能性を判断する上で重要な要素です。顧客ニーズを的確に把握し、市場動向を分析できていれば、計画が実現可能で、効果的なものであると言えます。公募要領「審査の観点」においても、以下の記載があります。
上図にあるように、採択されるためには「顧客ニーズと市場の動向」に記載した内容を踏まえて「経営方針・目標と今後のプラン」を作成する必要があるため「顧客ニーズと市場の動向」は、持続化補助金の経営計画において、重要な部分と言えます。
当事例の経営計画「顧客ニーズと市場の動向」を見ると、当欄を記載する際のポイントは、①ターゲット顧客を明確にする、②見出しを設ける、③ビジュアルに訴求する、であることが分かります。以下でそれぞれの内容を詳しく見ていきます。
■持続化補助金創業枠で惣菜店開業!経営計画「顧客ニーズと市場の動向」の書き方①ターゲット顧客を明確にする
当事業所は既存事業としてコーチングを提供し、新規事業として惣菜店を開店しようとしています。よって「顧客ニーズと市場の動向」欄には、どちらの事業のことを記載するべきか、ということを明確にする必要があります。
ベストな選択は、既存事業と新規事業両方の「顧客ニーズと市場の動向」を記載することです。しかし、当事業者の場合、今後の事業展開は新規事業が収益の柱となるため、新規事業のターゲット顧客について「顧客ニーズと市場の動向」を記載しました。
この場合、この説明を冒頭に盛り込むことで、審査員は、唐突感なく計画書のストーリーに入り込むことが可能になります。
■持続化補助金創業枠で惣菜店開業!経営計画「顧客ニーズと市場の動向」の書き方②見出しを設ける
今回取り上げる欄は「顧客ニーズと市場の動向」というタイトルが大見出しになりますが、当事業者は「(1)顧客ニーズ」「(2)市場の動向」と中見出しを設け、「(2)市場の動向」の下には「①顧客」「②競合」と小見出しを設けました。
そして「①顧客」という小見出しの下には、惣菜店を出店する場所における顧客動向を、「②競合」という小見出しの下には、競合の名称とその特徴を一覧表にして盛り込み、以下のメリットを狙いました。
- 顧客ニーズと市場の動向という大きなテーマを、より具体的に分類することで、内容の理解がしやすくなる。
- 出店場所の顧客動向の他に、競合の名称とその特徴を一覧表にすることで、情報をが整理され、読みやすくなる。
これによって、採択を引き寄せることが出来たと言えるでしょう。
■持続化補助金創業枠で惣菜店開業!経営計画「顧客ニーズと市場の動向」の書き方③ビジュアルに訴求する
当事例では、前述の表だけでなく、商圏や出店場所の地図・写真も盛り込みました。このように、図表や写真を用いることで、以下のようなメリットが期待できます。
- 文章だけでは伝えきれない複雑な内容や膨大な情報を、よりわかりやすく伝えることができる。
- 文章では表現しにくいイメージを、視覚的に訴求することができる。
- 審査員の興味を引きつけ、文章を読む意欲を高めることができる。
- 文章の内容をより説得力のあるものにすることができる。
図表や写真は、文章だけでは伝えきれない情報を、より効果的に伝えるために有効な手段です。また、図表や写真は、文章よりも記憶に残りやすいという研究結果もあります。そのため、図表や写真を用いることで、審査員の理解を深め、記憶に残りやすくすることができます。
図表や写真は、文章を補足する役割として、効果的に活用しましょう。地図や写真で視覚的に訴求することで、審査員は記載内容をより具体的にイメージしやすくなり、採択を引き寄せることにつながったと言えるでしょう。
■持続化補助金創業枠で惣菜店開業!経営計画「顧客ニーズと市場の動向」の書き方のまとめ
以上、持続化補助金創業枠に採択された事業者の「顧客ニーズと市場の動向」の書き方についてポイントを解説しました。①ターゲット顧客を明確にする、②見出しを設ける、③ビジュアルに訴求する、の3つのポイントを押さえることで、補助金に採択される可能性を高めることができますので、参考にしてみてください。
■ロードサイド経営研究所ホームページ
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