1.部下を動かすための3つのスキルとは?ガソリンスタンドの事例から考える
昨日の記事で、ガソリンスタンドにおける、顧客車両のナンバープレート情報と接客履歴に基づく顧客管理の手法を述べました。この手法を用いて大きく業績を伸ばしたガソリンスタンドもありますし、この手法を用いたものの、何も変わらないガソリンスタンドもあります。
この顧客管理手法は、スタッフがナンバープレート情報と接客履歴をメモしなければ始まらないわけですが、何も変わらないガソリンスタンドは、このような新たな取組みを導入しても、スタッフがメモを取ってくれないケースがほとんどです。
言い方を変えると、このケースは上司である経営者や店長が部下を動かすことができないから発生しているとも言え、今回の記事では、部下を動かすためのスキルを見ていきます。
■部下を動かせない上司の特徴
「今日も朝から忙しい。そろそろ部下のA君が出社してくる。そうしたら、あれをやらせて、これをやらせて…」そんなことを考えながら、あるガソリンスタンドの店長X氏は、朝から給油作業など店頭の業務に勤しんでいました。しかし、定刻になってもA君は出社して来ません。
「遅刻か?」と心配になるX店長。定刻を10分ほど回り、急いで出社してきたA君は「すみません、道が渋滞して遅れました。」と頭を下げました。怒り心頭のX店長は「仕事を軽んじている!」「余裕をもって出社しろ!」と怒鳴りつけました。
翌日からA君はシフトに入っているにもかかわらず、出社しなくなりました。電話をしても応答がありません。ただでさえ人手不足な職場で日々てんてこ舞いなのに、店長X氏の負担はますます大きくなっていきます。
このX氏のA君に対する叱責から伺えるのは、部下の思考を変えてやろうという認識です。つまり、部下が持つ仕事に対する考えを変えて、遅刻をなくそうとしています。しかし、怒鳴っただけでそれを変えられる可能性は低いわけです。
ちなみに私はガソリンスタンドの運営会社に勤務し、店長という役職を与えられた直後の頃、これをよくやってしまっていました。ここでのポイントは、思考ではなく行動を変えるという認識であり、そのために意識したいスキルとして以下が挙げられます。
■スキルその1:部下の行動の背景を理解するための傾聴スキル
部下の行動を変えるには、まずその行動の背景を理解する必要があります。上記の例で言えば、部下が渋滞にはまってしまった理由が、出発時刻が遅かったからだとして、出発時刻が遅くなった理由は、体調不良や家庭の事情だったのかもしれません。
部下の行動の背景を理解することで、部下がなぜそのような行動をしてしまったのかを理解し、適切な対応をすることができます。この際に有効なスキルが「傾聴」であり、そのポイントは以下の3つです。
- 相手の話に相づちを打つ
相手の話に相づちを打つことで、相手が話しやすい環境を作ることができます。相づちの種類は、うなずきや「はい」「うん」「なるほど」などであり、話の内容や状況に合わせて、深さや頻度を変えることがポイントです。 - 相手の話を繰り返す
相手の話を繰り返すことで、相手に「自分の話をちゃんと聞いてくれているんだ」という安心感を与えることができます。相手の話のすべてを繰り返す必要はありません。ポイントになるフレーズや、自分自身に響いたフレーズを繰り返すだけで十分です。 - 相手の話を言い換える
相手の話を言い換えることで、相手が話していることを理解していることを示すことができます。言い換えるには、相手の話をしっかり聴かなければできません。
■スキルその2:行動を改善するためのサポートスキル
部下を責めるだけでは、部下の行動は変わりません。部下を責めると、反発したり、萎縮したりして、行動を改善する意欲を失ってしまいます。部下の行動を改善するためには、部下を責めるのではなく、行動を改善するためのサポートをすることが重要です。
この際にポイントとなるのが助言型の質問です。例えば、冒頭の顧客管理をするためにメモを取ってもらいたいのであれば「君がメモを取るために、店長である私が出来ることは何ですか?」と問いかけるということです。
■スキルその3:望ましい行動を強化するための承認スキル
顧客管理でメモを取るのが望ましいのであれば、その行動をきちんと認めることで、望ましい行動が強化されていくことになります。メモを取るのが当たり前という認識を捨てて「5枚メモしたんだね」など、行動を承認していきましょう。
承認は事実を述べることがポイントになります。「よくやっているね」「頑張ったね」といった評価・賞賛は、部下が「褒めることで自分を上手く使おうとしている」と捉えてしまうと逆効果になってしまいます。
今回の記事では、部下を動かせない上司の特徴として、部下の思考を変えようとすることを挙げました。また、部下の思考ではなく行動を変えるためのスキルとして、部下の行動の背景を理解するための傾聴スキル、行動を改善するためのサポートスキル、望ましい行動を承認するスキルを紹介しました。これらのスキルを意識して部下に接し、関係をより良好なものにしていきましょう。
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