同店は、東京のベッドタウンに立地するバーですが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、webマーケティングの強化と設備投資をすることとし、それにかかる資金の一部を調達するために、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に申請したものの、不採択という結果になってしまいました。
当コラムでは、同店が作成した計画書の内容から、なぜ不採択になってしまったのか、その理由を検証していきます。
以下は、当補助金に応募する際に作成する「様式1」の構成ですが、今回は前回のコラム持続化補助金【低感染リスク型】で不採択だったバーの事例③に引き続き、赤枠部分<補助事業計画>「3.補助事業の効果」を見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年11月20日時点の情報に基づいています。
1.持続化補助金【低感染リスク型】不採択を招いた想定理由
(1)各補助事業の効果を記載していない
冒頭に記載したとおり、同店はwebマーケティングと設備投資にかかる資金の一部を当補助金で賄いたいと考えていました。ですが、補助事業の効果として記載してきた内容は、設備投資に関するものだけであり、webマーケティングを実施することで得られるであろう効果は記載されていませんでした。
複数の補助事業を展開しようとするならば、それぞれの補助事業について、実施することにより見込める効果を記載する必要があります。webマーケティングによる効果を記載していなかった同店は、webマーケティングを実施することによる効果を見込んでいないと捉えられても致し方ありません。効果が見込めないのであれば補助金採択は困難になってしまうことは自明の理と言えるでしょう。
(2)対人接触機会の減少が見込めない
当補助金の目的のひとつに、新型コロナウイルスの感染リスクを低減させるための「対人接触機会の減少」というものがあります。ですが、同店は補助事業の効果として、店舗の集客力が向上することを述べていました。
それぞれの補助金には目的があり、それに沿った取組でないと採択される可能性は低くなってしまいます。店舗の集客力が向上するということは、それだけ対人接触機会が増加すると捉えられますので、採択は遠のいてしまったと考えることが可能です。
(3)因果関係が破綻している
「お酒を飲んだから仕事ができない」という論理構成は、因果が破綻していると言えます。「お酒を飲んだこと」と「仕事ができない」ことに直接的な関係が無いからです。よって、「お酒を飲んで酔っ払ったから正常な思考ができないため仕事ができない」という形で、因果を丁寧に繋ぐ必要があります。
同店はこれができておらず、意味が取りにくい効果を記載していました。つまり読み手は同店の補助事業の効果が理解できず、このことも採択を遠のけてしまった一因と考えられます。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で不採択だったバーの<補助事業計画>「3.補助事業の効果」から不採択を招いた想定理由として、(1) 各補助事業の効果を記載していない、(2)対人接触機会の減少が見込めない、(3)因果関係が破綻している、を挙げました。
ここまで4回に分けて同店の計画書から不採択を招いた理由を想定して述べてきました。その中で大きな要因となったと感じるのは、接触機会の減少がなされる補助事業では無かったという点です。持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】の採択を目指す方の参考になれば幸甚です。
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