先日、時間が空いたので散髪をしようと思い立ちました。ですがその日は月曜日だったので、ほとんどの理容店は営業していません。そこで、インターネットで当日予約に対応できる美容室を探したところ、駅近立地のお店が見つかりました。
散髪をしていただきながらスタイリストさんと会話をしていると、コロナの影響を差し引いて考えたとしても、どうも最近集客が厳しいとのことでした。そこで今回のコラムでは、その際の同店の対応からこの美容室がなぜ集客に苦しんでいるのかを述べ、店舗ビジネスを展開する方々へのご参考にしていただきたいと思います。
美容室経営において反面教師にするべきポイント
割高感がある
私が最近、理容店・美容室でハマっているサービスが「ヘッドスパ」です。これは、通常のシャンプーによる洗髪の進化版とも言うべき、頭皮の洗浄やマッサージも行うリラクゼーションメニューです。
この効果として、頭皮が活性化し、脱毛の予防や顔のたるみ防止にもつながるとされていますが、なんと言ってもリラクゼーション効果が高いので、施術が始まるとその気持ちよさにグッスリ寝入ってしまいます。
今回お世話になった美容室にもヘッドスパのメニューがあったのでお願いしたのですが、施術時間がとても短く、眠る時間などありませんでした。このヘッドスパの料金は、2,200円でしたが、前回違う店舗でグッスリ寝入ったヘッドスパは1,750円でしたから、今回は割高感がありました。
顧客は、価格に対する価値が低いと割高感を抱き、価格に対する価値が高いと割安感を抱きます。他店の価格・内容を調査し、相場を押さえた上で、価格や時間を決める必要があるでしょう。
心理的距離を意識しない
同店で私を担当してくださったスタイリストとの会話の中で、私は加齢とともに髪のボリュームが出なくなっていることを伝えました。それに対して、ボリュームが出るようなセットの仕方を教えていただきましたが、同時にそのような悩みに効果的な整髪料をご紹介されました。
その後、施術が終わり会計という段階になって、その整髪料をお勧めされました。買えない価格ではなかったので買いましたが、私は初来店ということもあり、その店舗に対しても、そのスタイリストに対しても親近感は感じていませんでした。
このようなシチュエーションで勧められ、購入してしまった顧客は「押し売り感」を抱くものです。 商品をお勧めすることは構わないですし、初来店であっても親近感を感じることもありますが、心理的な距離感をしっかり意識して、お勧めすることで顧客に不快感を抱かせないようにしたいものです。
帰宅後に髪型が決まらない
その美容室にお世話になった翌朝、出かけるために前日教わったセットの仕方を試してみましたが、うまくいきません。どうしても髪が立ってしまい、年相応の髪型には見えないのです。
スタイリストが髪型をセットして上手にまとまることは当然です。しかし、本当の価値は、素人である顧客自身がセットしてもそれなりにまとまることです。そうでなければ毎日その美容室でセットしていただかなければなりません。
これは、人材育成にも言えることで、社長が現場にいる時はしっかり仕事ができても、社長が現場からいなくなるとしっかり仕事ができないようでは、本当に育成したことにはならないはずです。
今回のコラムでは、美容室が集客に苦しむ理由として、1.割高感がある、2.心理的距離を意識しない、3.帰宅後に髪型が決まらない、を述べました。自店を振り返り、該当する項目がないか、点検してみましょう。
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