同社は、創業130年を超える染色業です。布を染め、手ぬぐいやはっぴなどの製品として小売業や自治体へ販売していますが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、お祭りなどのイベントが軒並み中止となり、染め物に対する需要が激減し、同社の業績も落ち込んでしまいました。
そこで、同社はインターネットを用いて一般消費者がオーダーメイドで染め物を注文できる新規事業を立ち上げ、その強化にかかる費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型】で調達しようと申請をし、採択という結果を得ることができました。そこで同社が作成した計画書の内容を基に、採択を引き寄せる書き方を見ていきます。
下図は当補助金を申請する際に作成する「【様式1】経営計画および補助事業計画」ですが、今回のコラムでは赤枠部分<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」の書き方について見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年2月16日時点の情報に基づいています。
1.持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択された染色業の事例[新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編]
持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択された染色業の事例[新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編](1)見出しを設ける
同社の計画書を拝見すると、当欄は文章だけを使用した説明となっていました。その内容は確かに「新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」ではありましたが、読みづらさを感じました。
読みづらいということは、読み手がその内容を理解しにくくなり、採択にポジティブな影響を与えるものではないと言えます。そこで【新型コロナウイルス感染症の影響】、【既に取り組んでいる対策】と見出しを設け、当欄の内容を切り分けて記載することで、採択はより確実なものになったのではないかと感じました。
持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択された染色業の事例[新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編](2)影響を数値で述べる
同社が「新型コロナウイルス感染症の影響」として記載した文章には「需要が大きく減退した」「業績に大きな打撃を受けた」といった内容が盛り込まれていました。このような内容に関しては、数値を用いて説明することにより影響の大きさを読み手に訴求することが可能になります。
つまり「需要が大きく減退した」「業績に大きな打撃を受けた」という内容は、同社の業績が低下したことを示しているはずですから、コロナ前とコロナ禍の時期における売上高、利益、受注数などの実績を記載することで、どの程度業績が低下したかが具体的に分かるということです。
なお、この際には表を用いること、減少率を記載することによって読みやすさの向上が期待できます。
持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択された染色業の事例[新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策編](3)2種類の対策を記載する
同社は「新型コロナウイルス感染症の影響」を受け、「既に取り組んでいる対策」として新規事業を立ち上げたことを記載しておりました。業績の落ち込みを受け、このような収益回復の対策としてマーケティング施策を記載することは妥当性があると感じました。
これにリスク回避の対策として新型コロナウイルスの感染防止に関する施策も盛り込むと、より説得力が向上する印象を受けました。具体的には、マスクの着用、消毒液の活用、テレワークの実施、ソーシャルディスタンスの確保などが挙げられます。
今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型>に採択された計画書の<経営計画>「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」から、採択を引き寄せる書き方として(1)見出しを設ける、(2)影響を数値で述べる、(3)2種類の対策を記載する、を挙げました。
次回のコラムでは、今回に引き続き<補助事業計画>「2.補助事業の内容」を見ていきますが、同社の事例をご紹介した前回のコラムは以下となります。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。
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