外部環境は顧客・競合動向だけではない
企業が最適な戦略を見出すためには、現状の把握が必要なわけですが、この視点として内部環境と外部環境に着目するものがあります。
【参考記事】強みを見出し事業に活かす
外部環境については、主に顧客と競合の動向が取り上げられます。これは、顧客に対する付加価値の向上や、競合に対する差別的優位性の構築が売上増加に繋がるためです。小規模事業者持続化補助金でも「顧客ニーズと市場の動向」を書く欄があり、重要な観点です。
【参考記事】小規模事業者持続化補助金に採択されるには⑤
このような自社に直接的な影響を与える外部環境をミクロ環境と呼びます。これに対して、自社に直接影響は与えないものの、自社を取り巻く競合や顧客をさらに取り巻き、間接的に自社に影響を及ぼす外部環境があります。これをマクロ環境と呼びます。
マクロ環境の代表的な視点としては、政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)があり、これらに着目した分析手法をそれぞれの頭文字をとり、PEST分析と呼びます。
ガソリンスタンドのPEST分析
このPEST分析についてガソリンスタンドを題材に検討すると下記のようになります。
政治(Politics)に関する視点としては、法律改正などの動向が重要です。2019年10月に実施予定の消費税率引き上げへの対応として、特措法で認められている転嫁カルテルや表示カルテルの活用や、ガソリンスタンドが使える補助金を活用する戦略は、これに着目した例です。
【参考記事】油外収益拡大のためにガソリンスタンドが使える補助金を活用する
経済(Economy)に関する視点としては、為替相場に着目し、輸入される原油価格の見通しを立て、仕入交渉の他、価格戦略を決定する際の判断材料として役立てます。
社会(Society)に関する視点としては、若者の車離れが進んでいますから、メインターゲットを中高年以上とした戦略を検討します。
技術(Technology)に関する視点としては、低燃費車や電気自動車の開発による、ガソリン販売量減少への対策、また、電気自動車の点検整備といった新規事業を検討します。
環境変化に対応するには環境変化の把握から
これらマクロ環境の状況は、競合他社にとっても同じ条件です。それにも関わらず、儲かる店舗と儲からない店舗があるのは、自社の経営資源を外部環境の変化に対応させていないから、という見方もできるわけです。
自社の経営資源をいかに強化しても、外部環境の変化に応じた強化の仕方をしないと、効果は上がらないということです。そのためにも外部環境の認識はしっかり把握しておく必要があります。
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