自分のルールに縛られる
仕事柄、中小企業の経営者向けにセミナーや講演をしますが、その際に、戦術と戦略の違いをテーマとして取り上げることがあります。
【参考記事】戦術と戦略の違い
戦術と戦略がどう違うか、詳しい内容は上記参考記事を読んでいただくとして、これを理解していただくために、セミナーの場では、戦術に着目し、受講された方々に「術」のつく言葉を挙げていただきます。
多くの場合、技術、芸術、美術、手術、忍術、柔術、詐術、話術、馬術、魔術、武術、などが出てきます。これを1個1個ホワイトボードに書き連ねていきますが、いずれ行き詰まります。「あとないですか」と問いかけても、場は沈黙が支配するようになります。
ここで、改めて受講者の方々に挙げていただいた「術」のつく言葉を見てみると、挙げていただいたそれらは、2文字かつ、2文字目が「術」であることに気付きます。これは、私たちは、何か物事を考える際には、自分で自分のルールを勝手に構築し、その枠組みの中でしか考えていないことを意味しています。
自分のルールを逸脱する
自分で自分のルールを設けることが良くないのではなく、人はそのようなものだと認識しておくことが重要です。この認識がないと行き詰まりやすくなります。
反面、その認識があると自分の考えが尽きても、他人の考えを参考にしようと考えることができます。つまり、他人は他人のルールで考えるため、自分のルールから簡単に逸脱した考え方ができる、ということです。
「術」のつく言葉の例で言うと、自分は2文字かつ、2文字目が「術」というルールのもとで考えているのですが、3文字で考える他人や2文字でも1文字目に「術」のつく言葉を考える他人もいるかもしれない、ということです。そのような方は、読心術、催眠術、技術士、術後、といった言葉が出ます。
パナソニック株式会社の創業者であり、経営の神様と呼ばれた松下幸之助氏は、素直であることの重要性を述べました。ここでいう「素直」とは、自分の考えに縛られず、正しいことを正しいこととして受け入れる、ということです。
自分で定めた自分のルールに縛られることなく、他人の枠組みも取り入れることにより、経営に行き詰まりを感じたときに、打ち手の選択肢が広がる可能性が高まることを意識していきましょう。
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