持続化補助金申請時に作成する<経営計画>には、なぜ「2.顧客ニーズと市場の動向」欄があるのでしょうか。この問いに対する答えを踏まえた計画書は、内容の完成度が高い印象があります。
「経営の神様」と呼ばれたパナソニック(株)創業者の故松下幸之助氏は、経営の要諦を「雨が降ったら傘をさす」と表現しました。
降雨時に雨で体が濡れると体温が奪われますので、風邪をひくリスクが高まりますから傘をさします。至極当然の話ですが、このことは変化した外部環境に応じた行動をとらないとリスクが発生するということですから、まずは、外部環境がどのように変化しているのかを把握する必要があります。
そして、今回見ていく「2.顧客ニーズと市場の動向」はこの外部環境を的確に把握しているか否かが問われます。
今回のコラムで取り上げる、持続化補助金に採択された婦人服メインの雑貨店は、持続化補助金の採択可能性を上げるために、同店が作成した計画書に対するアドバイスを弊社に求められました。
それを踏まえ、計画書のブラッシュアップを行った結果、当補助金に採択されたわけですが、同店が外部環境である「顧客ニーズと市場の動向」をどのように計画書に盛り込んだのかをご紹介していきます。なお、当コラムの内容は2022年4月23日現在の情報に基づいています。
1. 持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例⑤[顧客ニーズと市場の動向編]
持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例⑤[顧客ニーズと市場の動向編](1)顧客ごとに内容を切り分ける
同店の販売は、大きく実店舗での販売・介護施設に出向いての販売・ネットでの販売という3つに切り分けられ、それぞれにおいて顧客が異なっていました。よって「顧客ニーズと市場の動向」をこれら3つのケースに切り分けて記載しておりました。
顧客が変われば顧客ニーズも変わりますし、把握するべき市場の動向も異なりますので、この書き方は的を射ている印象を持ちました。
持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店の事例⑤[顧客ニーズと市場の動向編](2)当欄に強みを記載しない
同店が当欄に予め記載された内容には以下のものがありました。
コロナ禍にあって、マスクや除菌剤といった衛生用品の品揃えを強化し、他店が在庫を切らしてしまった状況の時も販売し続けることができたことがSNSで拡散され、新規顧客を獲得でき、当該顧客層はその後も来店されている。
この内容は、文末で顧客の来店状況を述べていますが、実質的には同店の強みを述べています。このような内容は散見されましたが、すべて「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に移動していただきました。
ラーメンを食べに行く際に、ウエディングドレスを着ていく方はいないと思うのですが、それはウエディングドレスを着るべき場所はラーメン店ではないからです。にもかかわらずそれをすれば、周囲は違和感を抱きます。
書くべき場所に書くべき内容を書かないと、読み手は違和感を抱き、混乱を招くために、計画の理解が深まらないリスクが高まってしまいます。このことは不採択を引き寄せてしまいますので、当欄に限らず留意したいところです。
今回のコラムでは、持続化補助金に採択されチラシなどの販促物を作成した小売店がどのようにして採択レベルの計画書を作成したのかというテーマの中で、<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」の書き方として、(1)顧客ごとに内容を切り分ける、(2)当欄に強みを記載しない、を述べました。
次回のコラムでは、今回に引き続き様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。なお、当シリーズのバックナンバーは以下となります。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。
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