持続化補助金申請時に作成する<経営計画>には「2.顧客ニーズと市場の動向」と「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」というタイトルの記入欄があります。
前者は外部環境、後者は内部環境について述べる欄であることを強く意識しないと、書くべきことを書くべき欄に書けなくなり、結果としてまとまりのない、説得力の薄い計画書になってしまうリスクが発生してしまいます。
今回のコラムでは、前回のコラム持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例①に引き続き、採択の可能性を高める<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」の書き方を見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年5月1日現在の情報に基づいています。
1.持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例②[顧客ニーズと市場の動向編]
持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例②[顧客ニーズと市場の動向編](1)当欄を2つに切り分ける
同社は当欄に「顧客ニーズ」と「市場の動向」という2つの大見出しを設けていました。タイトルが複数の要素を求めていると判断できる場合は、まとめて記載しようとしないで、このように切り分けることが効果的と言えます。
これらをまとめて記載しようとすると、何が顧客ニーズで何が市場の動向か分からなくなりがちで、読み手の混乱を招き、計画書の理解を妨げるリスクが発生することになってしまいます。よって、見出しを設けて内容を切り分けることで、思考も切り分けられ、結果として伝わりやすい内容となることが期待できます。
持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例②[顧客ニーズと市場の動向編](2)顧客の声からニーズを抽出する
同社は既存顧客からいただいた悩みや要望、つまり「顧客の声」を掲載し、それに基づき想定される「顧客ニーズ」を記載していました。
弊社では「顧客ニーズ」を「当社を利用することによって達成したい顧客の目的」と定義しています。よって「顧客の声」は与えられるものですが、「顧客ニーズ」は探っていくものと解釈しており、同社はこれに則った記載をしておりました。
補助金申請のルールブックである「公募要領」に記載のある「審査の観点」には「経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。」という項目があり、後日更新予定のコラムで取り上げる「経営方針・目標と今後のプラン」は、顧客ニーズを踏まえる必要があることも意識して、記載したい部分です。
持続化補助金に採択されてホームページを作成した不動産業の事例②[顧客ニーズと市場の動向編](3)ビジュアルに訴求する
同社は「市場の動向」を文章だけでなく、出典を記載した上でグラフを用いて説明しておりました。文章だけの説明では分かりにくいだけでなく、読み手は徐々に集中力を削がれ、結果として計画書の理解が進まないリスクが発生してしまいます。
よって、同社のようにグラフを用いたり、前回のコラムで述べたように図表を用いたりすることで、読み手の理解が深まりやすくなるでしょう。
今回のコラムでは、持続化補助金に採択されてホームページなどを作成した不動産業が<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」をどのように記載したのか、そのポイントとして(1)当欄を2つに切り分ける、(2)顧客の声からニーズを抽出する、(3)ビジュアルに訴求する、を挙げました。
次回のコラムでは、今回に引き続き「2.顧客ニーズと市場の動向」の記載ポイントを見ていきます。なお、前回のコラムは以下となります。
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