消費者の心理
AIDMA(アイドマ)の法則という、消費者心理のプロセスがあります。これは、Attention(注意)、 Interest(関心)、 Desire(欲求)、 Memory(記憶)、 Action(行動)の頭文字を取ったものです。
例えば、どこかの飲食店に入ろうと店を探し、ちょっと気になった店があったとします。これがAttention(注意)の段階です。
そして、店構えや店頭のメニュー、ネットの口コミなどから、その飲食店での食事に関心を持ったとします。これがInterest(関心)の段階です。
次に、その飲食店で食事をしたいという欲求が湧き出てきた段階が、Desire(欲求)です。
しかし、もっと良い飲食店があるかもしれません。そこで、その飲食店を記憶した上で、スマホで他店の情報を調べたり、もう少し歩き回ってもっと良い飲食店がないか探したりする段階が、Memory(記憶)です。
それらのプロセスを経て、最終的にどこかの飲食店で食事をする、つまり購買行動を起こします。これがAction(行動)の段階となります。
店舗の外観で関心を引く
先日、宮崎県の小林市に仕事で行ってきました。小林市に伺うのは、先月今月と3回目となりますが、前回2回目に行った時に、HANAReという居酒屋さんで夕食をとりました。
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3回目の今回もこの店舗で食事をしたわけですが、この店舗の外観は下の写真の通り、店名しか表示されていません。
経営者曰く、「店舗の前を通った方が『HANAReってどんな店なのだろう?』と思わせ、検索してもらえたら、当店の意図に乗っかっているんですよ」とのことで、AIDMAの「Interest(関心)」に着目した店構えであることを明かしてくれました。
小林市の飲食店街は、昭和レトロな雰囲気が色濃く漂っている点が特徴なのですが、その飲食店街の外れに立地するHANAReは、モダンな外装であり、昭和レトロとは一線を画しています。その点も、通行客の関心を引くことを意図したのだと思います。
購買に至る心理を意識する
私個人の印象ですが、売れない店ほどAIDMAの前段階、つまりAttention(注意)、 Interest(関心)を軽視し、買ってもらおうとAction(行動)に働きかけます。ガソリンスタンドの油外商品販売に対して押し売りという声が多いのも、それに起因すると思います。
ガソリンスタンドへの来店客の多くは、ガソリンを買いに来ています。つまり給油客の心理として、ガソリンについてはAIDMAプロセスの最終段階にあります。このような顧客に油外商品を販売するのであれば、油外商品のAIDMAプロセスを踏まえる必要があるはずです。
いきなり「いかがですか」「交換が必要です」と言われても消費者は心の準備ができていないのです。それを無視して油外商品を買ってもらおうとするので、店舗スタッフは反感を買うのです。
押し売りと思わせないガソリンスタンドの油外商品販売のコツとは、顧客の購買心理をしっかり踏まえた商売を心がけることと言えるでしょう。
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