ベテランスタッフのモチベーション向上策:動機づけ=衛生理論に基づく対応とガソリンスタンドの事例

コラム

1.はじめに

 少子高齢化が進む現代において、豊富な知識と経験を持つベテランスタッフの存在は企業にとって大きな財産です。しかし、彼らが持つ専門性や意見が、場合によっては派閥を作ったり、年下の上司と対立したりするといった問題に繋がるケースも少なくありません。

 そこで本記事では、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグ氏が提唱した「動機付け=衛生理論」に基づき、ベテランスタッフのモチベーションを高めるための戦略を詳細に考察していきます。

2.動機づけ=衛生理論の概要

 ハーズバーグの動機づけ=衛生理論は、従業員の仕事に対する「満足」と「不満足」は、それぞれ異なる要因によって左右されるとしています。

(1)動機付け要因

 動機付け要因は、「承認」「責任」「達成感」「仕事そのもの」「昇進」など、内発的な動機に関連する要素です。これらの要素が充足されると、仕事に満足感をもたらし、高いモチベーションと積極的な仕事姿勢に繫がります。

(2)衛生要因

 一方、衛生要因は、「会社の方針」「上司の監督」「給与」「人間関係」「労働条件」など、仕事環境に関わる要素です。これらの要素が充足されていないと、仕事に不満足感をもたらし、モチベーション低下や消極的な仕事姿勢に繋がります。

3.衛生要因の限界:モチベーション向上への誤解

 従来のマネジメントでは、衛生要因の改善が従業員の満足度向上に繋がると考えられてきました。しかし、ハーズバーグの研究によると、衛生要因を改善してもモチベーションは一時的に上昇するものの、長期的に見るとプラスの領域には至らず、ゼロ止まりになることが示されています。

 つまり、給与や人間関係といった衛生要因は、改善によって不満足感を解消することはできますが、それ自体がモチベーションの源泉とはなりにくいということです。

 例えば突然、給与を世間相場よりも大幅に上回る水準にした場合、従業員はそのような水準の給与を出す意図を疑うものです。また、人間関係を良好にしたとしても、それに満足してしまい「もっと良くしたい」とは思わないものです。

 つまり、衛生要因は天井感のある要因であることから、その充足によるモチベーションの向上も天井感が訪れるということになります。

 これらを踏まえて、以降では動機づけ要因の改善例と、ガソリンスタンドの事例をご紹介します。

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