店長会議における「店長同士のアドバイス」:業績格差を縮小し、組織全体を成長させるためのアプローチ

コラム

1.複数のガソリンスタンド運営における課題

 複数のガソリンスタンドを運営している企業の経営陣は、店舗間の業績格差に頭を悩ませる場合があります。店舗ごとに立地条件や顧客層が異なるため、一概に比較することは難しいものの、各店舗には、販売予算や利益予算がある以上、予算の達成は求められて当然です。

 業績格差の要因は様々考えられますが、主な要因として以下の3点が挙げられます。

  • 各店長の能力や経験の差
  • 店舗運営に関するノウハウの不足
  • モチベーションの差

 多くの企業では、店長会議を開催して情報共有や士気高揚を図っていますが、その効果は以下の理由により、限定的である場合が多い印象があります。

  • 経営陣からの一方的な情報伝達に終始し、双方向のコミュニケーションが不足している
  • 具体的なノウハウや成功事例が共有されていない
  • 実績の悪い店長は会議で責め立てられ、モチベーションの低下に繋がっている
「これだから会議は嫌なのよね。。。」

 これらを解決するヒントとなるのが、シカゴ大学のアイエレット・フィッシュバック博士が行った実験です。

2.シカゴ大学の実験結果が示す「他者へのアドバイス」の効果

 この実験は、318人の学生を2グループに分け、片方のグループメンバーは、後輩に勉強のモチベーションを高めるアドバイスを手紙に書きます。もう片方のグループメンバーは、教師から勉強のモチベーションを高めるアドバイスが書かれた手紙をもらいます。

 両グループとも週1回ペースで3週間にわたって同じ作業をして、各グループメンバーの勉強に対するモチベーションを調べました。

 その結果、後輩にアドバイスを与えたグループは、教師からアドバイスをもらったグループよりも勉強時間が38%多くなっていました

「アドバイスをあげてモチベーションを上げてるんやで」


 さらに、ダイエット・貯金・職探しをテーマに同様の実験を行いましたが、結果は他者にアドバイスを与えるグループの方が、ポジティブな結果が出ました。

 これは、他者へのアドバイスを考える過程で、具体的なアクションをいつ、どこで、誰と、どのようにとるかという「実行意図」が具体的になっていくことから、モチベーションアップに繋がっていくとされています。

 上記の示唆を踏まえ、店長会議における「店長同士のアドバイス」を実践することで、なぜ業績向上が期待できるのかを述べていきます。

「店長同士のアドバイスが組織に光を灯すんやで」

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