1.洗車に関するニーズを捉えるために
(1)ある店長が検討しているアンケート
あるフルサービスのガソリンスタンドの店長は、洗車収益をさらに向上させるために、以下の質問を顧客にアンケートとして投げかけたいと考えていました。
・フルサービスのガソリンスタンドの洗車に対して何を求めますか?
・ガソリンスタンドでなぜ洗車をするのですか?
・ガソリンスタンドでなぜ洗車をしないのですか?
・ガソリンスタンドで良かった対応は何ですか?
・ガソリンスタンドで嫌だった対応は何ですか?
上記の質問は2つの問題点を含んでいると考えられます。1つめの問題は、質問がYES/NOで答えられないものばかりであり、回答に対する顧客の負荷が高い点です。このような質問をコーチングでは、オープンクエスチョンと呼びますが、深く考えさせることができることが出来る反面、回答に時間がかかり、負荷が高いものとなるため、顧客はアンケートに応じないか、いい加減な回答をする可能性があります。
2つめの問題は、アンケートの回答自体を正解として捉えようとしている点です。これは数字で表すことのできない情報、いわゆる定性情報を答えさせようという意図の質問ばかりであることから推測できます。そこには「顧客ニーズを教えて欲しい」という受動的な姿勢が透けて見え、自店で顧客ニーズを見出そうという能動的な姿勢は伺えません。ある顧客の声は、顧客全体の声ではありません。また、その顧客の声は、必ずしも本音であるとは限らない点に留意する必要があります。
(2)YES/NOで応えられる質問を投げかける
1つめの問題を解決するためには、以下の例のようなYES/NOで答えられるクローズドクエスチョンを用いることでアンケートに応じてもらいやすくなります。
・ガソリンスタンドで洗車の依頼をしたことがありますか?
・当店の洗車は高いと感じますか?
・洗車の待ち時間は長いと感じますか?
・待合室の居心地は良かったですか?
・当店の洗車に魅力を感じますか?
また、クローズドクエスチョンを一歩進めて、以下のように選択肢を設けても良いでしょう。
・当店の洗車は高いですか? ①とても高い ②高い ③安い ④とても安い
・洗車の待ち時間は長いですか? ①とても長い ②長い ③短い ④とても短い
選択肢を設ける際は、その数を奇数個にしないことがポイントです。奇数個にすると真ん中を選ぶ方が多くなるためです。
(3)回答結果を定量的に捉える
2つめの問題を解決するためには、アンケート内容を定量的に捉えることを意識すると良いでしょう。当店に洗車を依頼したことがない顧客がどれくらいいらっしゃるのか、高いと感じている顧客がどれくらいいらっしゃるのかなど、それぞれの数を把握し、その事実から顧客は何を当店に求めているのか、と仮説を立てます。
その結果、洗車料金を見直さなければならないという仮説や、待ち時間を快適に過ごす工夫をしなければならないという仮説が立つかもしれません。その仮説を検証するために、再度アンケートを実施しても良いでしょう(本来アンケートは仮説を立て、その裏付けをとるために実施するものです)。
油外商品の洗車に注力して人気のガソリンスタンドになるコツとは、洗車に対する顧客ニーズを把握するために、顧客が答えやすい質問を投げかけること、そしてその回答を定量的に捉え、今後に活かすことであると言えるでしょう。
2.当コラムの解説動画
3.顧客ニーズに関する参考コラム
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