小売業、サービス業でリアル店舗を展開する場合の店頭看板は、集客に大きな影響を与えます。しかし、当然のことながら看板にかけることのできる費用も青天井というわけにはいかず、限られた予算で作成することになります。
そこで費用対効果の検討がポイントとなるわけですが、低コストでも集客効果の高い店頭看板に共通する特徴は、1.時流を活用していること、2.ビジュアルに訴求していること、3.行動を促していることです。
今回のコラムでは、その事例を参考に、費用対効果の高い店頭看板とはどのようなものなのかを考えていきます。
御朱印を入手したくなった看板
昨今は御朱印ブームということで、SNSにも御朱印を掲載される方が非常に多くなってきた印象があります。私はまだ御朱印というものを入手したことがなかったのですが、仕事柄、出張が多いため、あちこちに出向くとその地ならではの寺社もあり、参拝の記念になる御朱印は気にはなっていました。
そんな先日、自宅から最寄駅まで徒歩で移動する際に、こんな看板を見つけました。
興味を引かれた私は、決して立派とは言えないこの看板に導かれるように境内へ足を運び、この特製御朱印を入手することができました。以下は、私を御朱印入手に誘ったこの看板が持つ特徴です。
特徴1:時流を活用していること
御朱印ブームだから御朱印の看板を出すのではなく、また、元号が令和に変わったから令和ネタを用いた看板を出すのでもなく、御朱印ブームの中で元号が変わったタイミングで看板を掲示しているため、効果が倍増しています。
時流に乗る、というよりも時流を活用していると言った方がいいのかもしれません。過去、時流に乗って一財産を作った経営者は数知れません。その時流に乗った手腕は評価されるべきですが、その時流が去ると経営困難になった事例も枚挙にいとまがありません。時流の活用の仕方が重要と考えます。
ただし、時流を活用しているだけでは集客力は高いものにはなり得ません。この看板には次の特徴も盛り込まれています。
特徴2:ビジュアルに訴求していること
2つめの特徴は、文章量は控えめに、御朱印の写真を大きく掲示している点です。よく目にする御朱印は白地に赤や黒の文字ですが、この御朱印は紫地にゴールドと赤・白と目を引くものになっています。これを大きく掲示することにより、普通の御朱印とは違うことをアピールしています。
そして、時流を活用し、ビジュアルに訴求しても、次に示す特徴がなければ、消費者は購買行動に至らない点にも配慮する必要があります。
特徴3:行動を促していること
この看板の右上には、矢印とともに「受付」の文字があり、どこに行けば御朱印が入手できるかが示されています。
商品を訴求しても、それを入手するためにどうすればよいのかが分からなければ、顧客は購買に至りません。具体的な行動を起こすことのできる情報が盛り込まれている点もポイントです。
なお、この看板に貼られた矢印付き「受付」の紙がヨレヨレである点はマイナスポイントではありますが、ないよりはよっぽどいいのではないでしょうか。
価格が低く効果が高い店頭看板の3つの特徴として、1.時流を活用していること、2.ビジュアルに訴求していること、3.行動を促していること、が挙げられます。ロードサイド店舗の経営者・管理職は、現在の看板がこの特徴を満たすものとなっているか、見直してみてはいかがでしょうか。
余談ですが、今回のコラムで取り上げた3つの特徴は、私がこのコラムを書く時に、とてもとても意識しているポイントでもあります。
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