小規模事業者持続化補助金に採択!食品製造販売業者の事例②

小規模事業者持続化補助金

 テイクアウトを強化するために、小規模事業者持続化補助金で、ホームページ、看板、POP、チラシを作成した食品製造販売業があります。この事業者がどのようなプロセスで当補助金に採択されるレベルの計画書を作成したかをご紹介するシリーズの2回目は、様式2-1の「経営計画書兼補助事業計画書①」<経営計画>の「1.企業概要」を見ていきます。

失点防止&加点確保


 様式2-1の<経営計画>は、まず「1.企業概要」から始まりますが、当時業者が事前に記入されたものは、文章のみの記述となっていました。参考にしたいのは、日本商工会議所、全国商工会連合会が公表している下図(クリックすると拡大します)の記入例です。

 これを見ると、沿革、事業規模、営業時間、売上総額・利益総額の大きい商品、売上構成などが記載されています。そして、わざわざ「※」をつけて「どのような製品やサービスを提供しているかお書きください。また売上げが多い商品・サービス、利益を上げている商品・サービスをそれぞれ具体的にお書きください。」と記載しています。

 よって、この記入例やこの要望に沿った形で記載する必要がありますが、これは記入例を見れば、少し熱心な事業者ならそのように記載するわけで、これだけでは差別化できないわけです。審査で高い評価を得て、限られた補助金予算の中から、自社の補助金を勝ち取るには、他の事業者よりも優れた計画書を作成する必要があります。

 そこで以下の2点をご提案するようにしています。つまり、記入例を参考に記載して【失点を防止】し、以下のご提案で【加点を確保】する、という考え方です。

写真を載せる


 1つめの差別化策は、経営者やスタッフの【写真を載せる】ことです。現在、新型コロナの影響でほとんどの方がマスクをしていますが、顔の大部分が見えないと表情も人柄も分かりにくいことは、言うまでもありません。

 (株)ESSPRIDEという企業が2016年8月に実施した調査によると、従業員数300名未満の企業で働く経営者・一般社員合計400名のうち、経営者の62.0%、一般社員の79.0%の方が、会社のホームページやパンフレットに社長の顔写真がある会社が信用できると答えました。

 このことからも、顔写真を載せることの重要性は伺えるはずです。計画書も同様で、経営者やスタッフの顔写真が掲載された写真は、読み手を安心させます。「こういう人が働いている会社なんだ」という訴求力は、審査にプラスになれども、少なくともマイナスの影響はないと考えて良いでしょう。

地図を載せる


 もうひとつのご提案は、店舗や事業所の【地図を載せる】ということです。例えば弊社の立地する埼玉県川越市であれば、「日本の中で埼玉県の場所が分かる地図」「埼玉県の中で川越市の場所が分かる地図」「川越市の中で当社の場所が分かる地図」を掲載します。その上で、当社の外観や内装の写真を載せます。

 審査員が必ずしも埼玉県川越市を知っているとは限りません。埼玉県や川越市に対する土地勘が全くない方が当社の審査をする場合に、どのような場所に立地しているかがイメージできればリアリティが湧きます。

 リアリティが湧くということは、書いている内容に引き込まれやすくなり、結果として説得力が強まる可能性が向上するはずです。

 このようにして「1.企業概要」のブラッシュアップをしていただきました。次回のコラムは「2.顧客ニーズと市場の動向」のブラッシュアップを見ていきます。

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