ガソリンスタンドが押し売りをしないで生き残る方法

リピーターの確保

 ガソリンスタンドは、エンジンオイルやタイヤなどガソリン以外の商品(業界では油外商品と呼びます)を押し売りする、という声を頻繁に見聞きします。押し売りは、客離れを招くだけでなく、仕事に嫌気を感じたスタッフの退職という人離れも招きます。

 とはいうものの、全てのガソリンスタンドが押し売りをするわけではありません。押し売りをしないで繁盛しているガソリンスタンドもあることを認識する必要があります。そのようなガソリンスタンドは実に理にかなった商売の仕方をしますが、今回のコラムでは、その一例を見ていきます。

押してもダメなら引いてみる

 マーケティングでは販売促進戦略として、プッシュ戦略とプル戦略があります。

 プッシュ戦略はダイレクトメールや店内の告知物といったツールを使う場合(狭義の販売促進)とスタッフによる販売(人的販売)があります。押し売りはこの人的販売が強引だった場合と言えます。

 これに対して、プル戦略はインターネット広告や新聞折込みチラシなど(広告)とマスコミにニュース素材として取り上げていただく方法(パブリシティ)があります。押してもダメなら引いてみろ、と言いますが、押さないで売るこのプル戦略を掘り下げてみます。

 プル戦略のうち、広告はお金がかかるため二の足を踏みますが、お金がかからない広告としてネット上のポジティブな口コミを集めることが挙げられます。以降で具体的なアクションを見ていきます。

グーグルマイビジネスの口コミ

 まずは、グーグルマイビジネスに登録しましょう。多くの方はネット検索をする際に「地域」と「業種」もしくは「商品名」のセットで検索します。その際に、自店を上位に表示させるには、これに登録することが有効です。なお、費用はかかりません。

 では、検索する人は検索結果として表示された店舗の何を重視するかというと、それは口コミです。20代で77%、30代と40代は78%、50代で74%、60代で67%の方がネット上の口コミを重視することが統計データで明らかにされています。以下のコラム参考にしてください。
 エステサロンが口コミで集客する5つの方法

油外商品の口コミを集める

 実際に様々なガソリンスタンドにおけるネット上の口コミを見てみると、その多くは接客態度とガソリンの価格に関するものとなっています。この口コミが油外商品に関するポジティブなものであったら、油外商品が売れていく可能性が高まります。

 ガソリンスタンドとして売りたいものはガソリンよりも油外商品ですから、オイル交換やタイヤ交換など油外商品を買っていただいた顧客に口コミをお願いし、ポジティブな口コミを書いていただくことにより、一定の広告効果が見込めます。その量が多ければ多いほど、効果は高くなっていくでしょう。

 そのためには、それなりの接客、技術、関係性を高めていくように日々取り組む必要がありますし、実際に書いてくれた顧客にはガソリンの割引なり何らかのサービスが必要でしょう。

 昨今、口コミの信憑性が取り沙汰されていますが、そもそもガソリンスタンド側が油外商品の口コミをお願いできる顧客が多いことは、それだけで店舗の秀逸性が窺えます。

 今回のコラムでは、ガソリンスタンドが押し売りをしないで生き残る方法として、ネット上における口コミの活用を挙げました。即効的な効果は見込みにくいと思いますが、口コミを地道に集めることは、持続的な効果を得る可能性が高まりますので、ぜひ取り組んで下さい。

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