複数のガソリンスタンドを運営する会社は、定期的に店長会議を開催するところがほとんどですが、この店長会議が有益なものか否かはガソリンスタンドの業績に直結します。そこで今回は店長会議をテーマとして取り上げます。
なお、今回のコラムのタイトルですが「残念なガソリンスタンド」というよりは「残念なガソリンスタンド運営会社」にした方が良い気もしますが、そのような会社が運営するガソリンスタンドは大体残念ですよね、という屁理屈のもと「残念なガソリンスタンド」の店長会議を見ていきます。
残念なガソリンスタンドの店長会議1:店長の吊し上げ
各店舗の業績が悪くて経営者がイライラするのは理解します。しかし、店長を無能呼ばわりするのは、自身の部下を無能だと言っているわけで、その上司である経営者自身が無能であることを自覚しなければいけません。
店長は好きで業績を落としているわけではありません(多分)。好きで予算未達にしているんじゃないんです(多分)。経営者がイライラするなら、自分に対してイライラして闘争本能を掻き立て、燃える思いで戦略を立てる必要があるんじゃないでしょうか。
本社も現場もひとつの企業なのですから、敵対するのではなく、協力する必要があります。合体ロボや暴走族は、一つ一つは弱くても束になれば強力になります。本社と現場が一つになって事業展開するガソリンスタンド運営会社の強さはここにあります。本社は現場の応援団になっていなければならないのです。
残念なガソリンスタンドの店長会議2:打ち上げの参加率が悪い
「これから現場に帰って仕事なんですよ」店長会議が終わって打ち上げと称した飲み会に参加できない店長が好んで使う言い訳です。もし、これが本当だとしたら、本当に本当だとしたら、これは問題ですよ、社長。
普段はなかなか会えない経営陣や、他店の店長と腹を割って情報交換できるこの機会を人材不足のせいでみすみす逃す店長は、人材不足を早急に解消するために、本社がそれを指導する必要があります。人材の定着や募集・採用についてどうやって指導したらいいか分からない経営者は、当コラムの最後に掲載している書籍を読んでください。以上、宣伝でした。
また、人は不機嫌な人のそばには居たくないものです。会議に出席した店長としては、業績の悪い店長を会議で吊し上げ、散々いたぶった経営者や経営陣と一緒に飲みたいはずはありません。吊し上げられた店長としては、会議で格好悪い思いをしたわけですから、他店長の目も気になります。よって、繰り返しになりますが、経営陣は店長の応援団でいる必要があります。
残念なガソリンスタンドの店長会議3:経営者の独演会
店長に不満を言いたくて言いたくて堪らない。そんな経営者は店長会議という場を借りて、独演会を繰り広げます。店長が何か言おうものなら、店長がこてんぱんになるまで論破する。
そんな経営者がいるから、店長は何も言わない。それを受けて「うちの店長連中は何も考えていない」と言って、また独演会を繰り広げる。それは打ち上げの場でも同じ。特定の店長を側に呼び、説教を垂れる。このようにして、毒を吐き塩対応をする「毒塩会」をしているから、業績が上がらないだけではなく、店長が辞めていくんです。
今回のコラムでは、残念なガソリンスタンドの店長会議として、1.店長の吊し上げ、2.打ち上げの参加率が悪い、3.経営者の独演会、を挙げました。大事なことなので何度も申し上げますが、本社は現場の応援団に、そして経営者は店長の応援団長になってあげてください。きっと業績が変わってきます。
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