全体を俯瞰して書くべきところに書くこと、公表されている記載例を意識すること、読み手にリアリティを訴求することにより、小規模事業者持続化補助金に採択される可能性が高まります。
小規模事業者持続化補助金「整体院」採択のポイント
小規模事業者持続化補助金を活用して、ホームページ・店頭看板の作成費用を調達するために、ある整体院の経営者が作成した計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。下図は応募時の提出書類ですが、その赤枠部分、様式2-1<経営計画>内の「1.企業概要」を見ていきます。
事前に書かれてきた内容を整理する
事前に書かれてきた内容を整理すると概ね以下の内容となりました。
①平成○年に日帰り温泉施設内で業務開始。
②ここで多数の顧客から高い評価をいただくとともに固定客を獲得する。
③一定の固定客を確保した上で、2年後に「○○整体院」をオープン。
④主な施術メニューは、ボディケア60分○○円、フットケア40分○○円。
⑤フットケアは翌日の爽快感が好評である。
⑥上記メニューを中心に、当日の体調など顧客に応じた施術を行っているため、固定客が多数存在する。
⑦現在は、店舗での施術以外に、出張サービスや企業向けのイベントマッサージなどを実施し、効果を多くの方に体験していただき、顧客の獲得を実施中。
このように整理した上で、その内容をブラッシュアップしていきます。
書くべきところに書く
計画書を作成する際は、いきなり書き始めるのではなく、全体を俯瞰し、予め構想を練ってから書く必要があります。これにより、何をどこに書くべきかを意識できることになり、各欄に不要な記述を盛り込んでしまって読み手を混乱させるリスクが低くなります。
これを踏まえ、上述の内容を見てみると②⑤⑥は同店の強みですので「1.企業概要」に記載するよりも、「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に記載するべきですので、移動していただきました。
記載例を意識する
下図は、日本商工会議所、全国商工会連合会が公表している「1.企業概要」の記載例です。
ここで目を引くのが「売上総額の大きい商品」「利益総額の大きい商品」の一覧表です。小規模事業者持続化補助金に深く関わる両団体が公表している記入例ですから、無視はしないほうが採択される可能性は高まるはずです。
同整体院は主なメニューとして「ボディケア」「フットケア」を挙げていますが、主ではないメニューも含めて、売上上位5位を把握していただきました。同店はサービス業ですから売上原価は発生しないはずなので、各メニューの売上と利益は一致します。よって、「売上・利益総額の大きいメニュー」として5つを並べていただきました。
リアリティを訴求する
計画書でリアリティを訴求できれば、読み手はその内容に引き込まれ、結果として説得力が向上します。そこで、まずは同院の立地が分かるような地図を盛り込んでいただきました。単に同院の地図を盛り込むのではなく、読み手に分かってもらえる地図が必要です。
そこで、同院が所在する都道府県の地図、市町村の地図、そして同院の地図という形で、その地域の土地勘がない人が見ても分かるようにしていただきました。
次に、院長の写真を盛り込んでいただきました。同院は院長1名の運営ですが、もしスタッフがいるのであればスタッフの写真も盛り込みます。また、同院の外観や内装が分かる写真も盛り込んでいただきました。これにより、この計画書を作成した人の顔や働く場所が視覚情報として認識され、リアリティが増すことになります。
このようにして「1.企業概要」をブラッシュアップしていきました。次回のコラムでは「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。
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