小規模事業者持続化補助金に採択!テイクアウト饅頭店の事例④

小規模事業者持続化補助金

 計画には時間軸が必要です。いつまでに何をやるかが明確になっていてこそ、計画と呼ぶことができます。

 旅行の計画を立てるなら、初日の午前はどこに行って何をして、午後は…というように時間軸を設けるはずです。この「初日」「午前」という時間軸がなければ、旅行先でどこに行って何をするのか、という単なる「行きたい場所」「やりたいこと」のリストになってしまい、実現可能性が低くなってしまいます(あてもない一人旅だとそれでもいいのでしょうけれど)。

 小規模事業者持続化補助金に応募する際に作成する計画書も同様です。特に今回見ていく様式2の<経営計画>にある「4.経営方針・目標と今後のプラン」では、時間軸を強烈に意識する必要があります。

 今回取り上げた、ある饅頭店も時間軸を意識しないまま「4.経営方針・目標と今後のプラン」を記載していました。これを具体的にどのように修正していただいたのか、以下で詳しく見ていきます。

時間軸がないだけでなく…

 同店は「4.経営方針・目標と今後のプラン」において【経営方針】【目標】【今後のプラン】と見出しを設け、内容を切り分けて記載しており、この点はとても良いと思いました。

 同店は、饅頭店の運営をしていましたが、2店舗目としてバーをオープンさせたばかり、という状況でした。そこで、このバーでテイクアウトの饅頭を販売したいという考えがありました。その説明を設けた上で、同店が【今後のプラン】に記載してきたことは、概ね以下の内容でした。

 ・バーの営業時間帯に旅行客や出張客にテイクアウト販売を行っていく。
 ・地域に密着し、小中学生が立ち寄りやすい店づくりを強化していく。

 この記述には時間軸がないだけでなく、具体的な行動も見えません。さらには誤解を招く記述構成となっていますので、以下のように修正を加えました。

誤解を招かないようにするために

 まず、バーに小中学生が訪れるはずはありません。同店はバーではなく、饅頭店を小中学生が立ち寄りやすい店にしたいというつもりで書いたのですが、バーにおけるテイクアウトを強化するという全体の内容を記載した上でのこの記述は、バーに小中学生を呼び込もうとしているように読めてしまいます。

 そこで、「バーのプラン」「饅頭店のプラン」の2つを作成して、誤解されないようにする必要があります。

具体的にするために

 弊社はこれまで経営革新計画、小規模事業者持続化補助金・ものづくり補助金の応募用計画、経営力向上計画、事業継続力強化計画、創業計画など様々な経営計画の策定をご支援してきましたが、成功する計画に共通しているのが具体性です。

 具体性とは「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」という5W1Hが明確になっている、ということです。

 今回取り上げた【今後のプラン】は3年先程度を見越したものですので、5W1Hすべてを明確にすることは難しくても、せめて「いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)」は明確にすることをお勧めしています。

 同店においては、「バーの営業時間帯に旅行客や出張客にテイクアウト販売を行っていく」ために、「いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)」行うのか。同様に「地域に密着し、小中学生が立ち寄りやすい店づくりを強化していく」ために、「いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)」行うのか。これらを明確にする必要があります。

 このようにして【今後のプラン】の完成度を高めていただきました。これを踏まえて次回見ていく<補助事業計画>を策定していくことになります。

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