小規模事業者持続化補助金に採択!テイクアウト饅頭店の事例③

小規模事業者持続化補助金

 「強み」の定義付けをすることにより、「強み」かそうでないかの判断基準が確立することになります。なお、この定義は世間一般から見て、妥当な内容であるべきことは言うまでもありません。

 テイクアウトを強化するべく、小規模事業者持続化補助金を活用することとした饅頭店が、採択されるレベルの計画書をどのようにして作成したか、そのプロセスをご紹介するシリーズの3回目は、様式2<経営計画>の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について見ていきます。

「強み」の定義

 言葉の定義は様々であることとその重要性は、前回のコラム「小規模事業者持続化補助金に採択!テイクアウト饅頭店の事例②」で見た通りですが、「強み」に関しても自店なりに定義づけをしておく必要があります。

 当コラムでは、これを「顧客に対して価値を提供することができ、競合に対して優位性がある経営資源」と定義付けをして、事例を見ていきます。

 事前に同店が書かれてきた「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」には以下の記載がありました。

 ①饅頭は地元の名物である
 ②単価が低い  
 ③テイクアウトできる
 ④地産地消にこだわって製造している
 ⑤百貨店に卸売りをしている
 ⑥学校が近い場所に立地している

 これらを以下の手順でブラッシュアップしていきます。

定義を活用する

 繰り返しになりますが、当コラムでは「強み」を「顧客に対して価値を届けることができ、競合に対して優位性がある経営資源」と定義付けしています。この「競合に対して優位性がある」に着目し、①~⑥が競合よりも優れているかを検討します。

 そうすると少なくとも「①饅頭は地元の名物である」は強みにはなり得ないことが分かります。饅頭自体は競合も扱っているからです。その他の②~⑥も、競合と比較する必要があります。

本当の強みを探る

 「②単価が低い」という強みは、競合よりも単価が低いのであれば触れる価値がありますが、なぜ単価が低く販売できるのかを検討する必要があります。

 単価が低く販売できる理由として、例えば、材料を安価に仕入れできる取引先と古くからの関係性がある、大量生産できる設備がある、情報発信を頻繁に行っているため大量販売ができる、などが挙げられたとします。これらが「本当の強み」であり、「単価が低い」は結果に過ぎないと言えます。そして、この「本当の強み」をさらに強化・活用していくことが今後の方向性となります。

強みを切り分ける

 当欄は「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」ですので、【自社の強み】と【自社の提供する商品・サービスの強み】に切り分けるとまとめやすくなります。同店は饅頭という商品を販売しているので【自社の提供する商品の強み】とすると良いでしょう。

 そして【自社の強み】は「人」「物」「金」「情報」にグルーピングできます。また【自社の提供する商品の強み】は「物」のうち、商品に関することを抜き出します。

 自社の強みをこれまで意識して来なかった方は、この欄が埋まらなくて困るケースが多いのですが、今回のコラムを参考に、自社の強みを見出していただきたいと思います。

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