前回のコラム持続化補助金「コロナ特別対応型」計画書の書き方⑤では、<計画の内容(新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるための取組)>の「3.新型コロナウイルス感染症による影響」「4.今回の申請計画で取り組む事業名」について、事例を用いて具体的に見てきました。当シリーズの最終回となる今回は、これに続く「5.今回の申請計画で取り組む内容」「6.新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果」を見ていきます。
1.「コロナ特別対応型」の構成
まず、今回のコラムがコロナ特別対応型のどこを解説しているのか、迷子にならないように全体像を確認します。当補助金に応募する際の提出書類は原則として以下の通りです。
- 様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<コロナ特別対応型>に係る申請書
- 様式2 経営計画書
- 様式4 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>交付申請書
2.「様式2 経営計画書」の構成
前述の様式のうち、様式2 経営計画書の完成度が審査の結果に大きな影響をもたらします。これは以下の項目から構成されます。
- <応募者の概要>
- <計画の内容(新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるための取組)>
- <支出経費の明細等>
- <補助対象経費の調達一覧>
- <「2.補助金」相当額の手当方法>
3.<計画の内容(新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるための取組)>の構成
前述の項目のうち、<計画の内容(新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるための取組)>をどう書くべきかがポイントのひとつとなりますが、これは、以下の内容から構成されます。
- 新型コロナウイルスの影響を乗り越えるための投資の類型
- 事業概要
- 新型コロナウイルス感染症による影響
- 今回の申請計画で取り組む事業名
- 今回の申請計画で取り組む内容
- 新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果
今回のコラムでは、このうち「5.今回の申請計画で取り組む内容」「6.新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果」を見ていくということになります。
4.<計画の内容(新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるための取組)>の書き方
(1)「5.今回の申請計画で取り組む内容」
当欄は、「2.事業概要」に続いて字数を割くべき欄です。その理由は補助金を何に使うかを説明する欄だからです。ボリューム的には、「2.事業概要」が全体の40%~50%、「5.今回の申請計画で取り組む内容」が25%~35%といったところでしょうか。なお、当事例では全体の32%を占めました。
今回の事例では、①ネット通販の円滑化を目的としたホームページリニューアル、②ネット上に在庫状況を即時反映できるシステム開発、③Web広告の実施、が取り組む内容でしたが、この①~③それぞれについて、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)で構成される5W1Hを記載しました。
(2)「6.新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果」
小規模事業者持続化補助金の一般型では、補助事業の効果を記載する際に、売り手よし・買い手よし・世間よしの「三方よし」の観点から、自社の効果・顧客の効果・地域社会の効果を記載することをお勧めしていますが、コロナ特別対応型の当欄に関しては、「経営上にもたらす効果」が求められています。
つまり、全体で5ページに収めなければならない中で「自社の効果」を書けば足りると解釈できます。当時例はこれに基づき、数字で表すことのできる定量的効果として売上高がどの程度上がるのか、また、数字で表すことのできない定性的効果として知名度、顧客満足度の向上をメインとした内容でまとめました。字数は全体の5%弱でした。
このようにして「5.今回の申請計画で取り組む内容」「6.新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果」を記載しましたが、ポイントは5W1Hを意識すること、自社の効果に絞って記載することです。
この「コロナ特別対応型」は「一般型」の様式を踏襲したものですので、特別な書き方があるわけではなく「一般型」の構成を理解していただければハードルは高くない印象です。コロナウイルスの影響が収束すれば、この「コロナ特別対応型」もなくなることが予想されますので、この制度創設を機会と捉えて取り組んでいただければと思います。
5.当コラムの解説動画
6.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
7.メルマガ会員様募集中
メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。登録はこちらから↓↓↓