そのギフトショップは、地域に2店舗を展開しておりましたが、そのうち1店舗の老朽化が進んでいたことから、顧客にインパクトを与え、店頭を活性化するために、店舗外観の改装をしたいと考えるようになりました。
その費用を小規模事業者持続化補助金で調達しようとした同店に対して、弊社は当該補助金における採択可能性を高めるべく、その計画書のブラッシュアップをご支援しました。結果として無事採択されましたが、どのように計画書をブラッシュアップしたのか、複数回にわたってご紹介します。
最終回の今回は、様式2-1<補助事業計画>の「4.補助事業の効果」について見て行きます。
1.小規模事業者持続化補助金<一般型>応募の全体像
まずは、全体像を把握します。事業者が単独で小規模事業者持続化補助金に応募する際は、原則として以下の書類を作成し、締め切り日までに送付する必要があります。
- 様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<一般型>に係る申請書
- 様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①
- 様式3-1 補助事業計画書②
- 様式4 事業支援計画書
- 様式5 補助金交付申請書
このうち、様式2-1と様式3-1が採択に大きな影響を及ぼします。
2.様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像
今回は、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①を見て行きますが、その構成は以下となっています。
- <応募者の概要>
- <経営計画>
- <補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容
3.<補助事業計画>の全体像
今回は<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容を見て行きますが、その構成は以下となっています。
- 補助事業で行う事業名
- 販路開拓等(生産性向上)の取組内容
- 業務効率化(生産性向上)の取組内容
- 補助事業の効果
今回のコラムでは、4.補助事業の効果を見ていきますが、ここまでをまとめると、今回のコラムでは下図の赤枠で囲んだ部分を見て行くことになります。
なお、当コラムでは「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから、説明は割愛しています。
4.「4.補助事業の効果」の書き方
(1)要素分解をする
同店が予め記載されてきた内容に「売上・顧客数の増加」がありました。売上は客数と客単価のかけ算で求められますので、補助事業を実施することで、客数がどの程度増加することを見込んでいるのか、客単価はどうなるのかを述べることにより、売上の増加がどの程度となるのか、その根拠が分かることになります。
さらに説得力を向上させる場合は、客数を新規購入と既存顧客に、客単価を買上単価と買上点数に分解して説明を行うと良いでしょう。
(2)数値を盛り込む
前述の通り、同店が予め記載されてきた内容には「売上・顧客数の増加」があったわけですが、それぞれどの程度の増加が見込めるのか、数値の記載がありませんでした。数値でものを言うことは、説得力が高まりますので、意識して盛り込みたい内容です。
(3)意味を取りやすく書く
同店が当欄に予め記載されてきた内容に「自店だけでなく地元と一緒に成長できるため、さらなるビジネスチャンスを作ることが可能となる」といったものがありました。ですが、なぜ地元と一緒に成長できるのか、ビジネスチャンスとは具体的にどのようなものを想定しているのかが分からず、意味が取りにくい表現となっていました。
なぜそうなるのかという根拠を示すこと、読み手が具体的なイメージを湧くように書くことを意識すれば、意味の取りやすい文章になるでしょう。
このようにして、「補助事業の効果」をブラッシュアップしていただき、無事採択されたわけですが、贈答品は実際に手で触れて贈答するにふさわしいか検討したいというニーズがあるはずで、地方立地の同店は顧客とのリアルな触れあいを大事にしています。
コロナ禍の中、非対面ビジネスの推進も重要であり、リアル店舗は、対面型と非対面型のバランスをとった事業展開がポイントとなるでしょう。
5.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
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