同店は、男性作業服を中心とした作業用品全般の卸・小売業です。昭和50年代に先代が創業し、現在は娘さんが2代目として切り盛りしていますが、より事業を拡大するべく、店舗改装をすることとしました。
同店では、その資金を小規模事業者持続化補助金で調達しようと考えたわけですが、経営者ご自身が記載された計画書をブラッシュアップして、採択をより確実なものとするべく、弊社にご相談をされました。
結果として同店は、当該補助金に採択されるわけですが、そのブラッシュアップのプロセスを複数回にわたってご紹介をしていきます。
下図は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際の一般的な提出書類ですが、今回のコラムでは、赤枠で囲まれた「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方を解説していきます。
1.「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方
(1)強みの切り分けをする
同店は当欄に見出しを設け、それに応じた内容をまとめておられました。その見出しは以下となっており、非常に良いと思いました。
当欄のタイトルは「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」ですから【自社の強み】【自社の提供する商品・サービスの強み】に切り分けることは妥当性があります。
さらに強みとは差別的優位性のある経営資源ですから、【自社の強み】を経営資源の4要素である「人」「物」「金」「情報」に切り分け、「物」のうち、商品に関する強みは【自社の提供する商品・サービスの強み】に盛り込むことで、整理整頓がなされた記述となります。
(2)要因を検討する
同店を仮にA社とした場合に、「『A社だから大丈夫』という言葉をたくさん頂いている」という記述がありました。
ここで検討しなければならないのは、なぜ「A社だから大丈夫」という言葉をいただいているのか、ということです。例えば、営業マンの人柄に基づく長年の関係性があるから大丈夫ということであれば「人的資源の強み」として取り上げることが可能です。
仕入先を豊富に持っており、これまで欠品がなかったから大丈夫ということであれば、「提供する商品・サービスの強み」として取り上げることが可能です。
このように、好ましい結果を得ているその要因を検討し、記述する必要があります。
(3)具体的に記載する
同店が事前に書かれてきた内容の一つに「他店にはない、高品質かつ特殊な商品を取りそろえている」という内容がありました。
この場合、具体的にどのように高品質なのか、どの点が特殊なのかを記載することにより、読み手は強みを具体的にイメージすることが可能となり、理解が深まることとなります。
このようにして、「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」のブラッシュアップを図っていただきました。次回のコラムでは「経営方針・目標プラン」を見ていきます。
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