同店は、2019年春に創業したカフェです。創業して1年が経過しようとした時点で新型コロナウイルスの影響を受け、来店客が激減してしまいました。まだ固定客も多くない同店は、これを受けランチのテイクアウト・デリバリーに乗り出すわけですが、この取組を強化するために小規模事業者持続化補助金「コロナ特別対応型」の活用を考えました。
同制度において、5/15締切りの第1回公募、6/5締切りの第2回公募は採択率が80%を超えましたが、8/7締切りの第3回公募は採択率が30%台と大きく落ち込みました。同店はこの第3回公募で採択されたわけですが、どのように申請書を記入したかをご紹介します。
下図は、小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>に応募する際の一般的な提出書類ですが、今回のコラムでは様式2「経営計画書」内、赤枠部分の「3.新型コロナウイルス感染症による影響」「5.今回の申請計画で取り組む内容」「6.新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果」の書き方を解説していきます。
1.「新型コロナウイルス感染症による影響」の書き方
小規模事業者持続化補助金に申請する場合に提出する計画書は、できるだけポジティブな内容でまとめたいところです。なぜなら、自店の強みを活かすことが、小規模事業者が事業を継続するポイントであるからです。
よって、内部環境である弱みの克服や、外部環境である脅威の解消といった内容を記載することは、お勧めしておりませんが、「3.新型コロナウイルス感染症による影響」に関しては唯一自店の大変な状況の記載が求められている欄であり、同店では来客数が90%減少したことを記載しました。
2.「今回の申請計画で取り組む内容」の書き方
当欄は、前回のコラムで取り上げた「2.事業概要」の次に字数を割きたいところです。同店では、①キッチンカーの導入、②チラシの作成、③厨房機器の追加、④店内改装、この4つに当補助金を活用したいので、これらの取組を記載しました。
特に①のキッチンカーの導入では、イートインと違って接客時間が短くて済むため、非対面型ビジネスが推進できること、②チラシの作成では、予約サイトへ誘導できるQR コードの記載により、テイクアウト販売の効率が向上できること、③厨房機器の追加と④店内改装に関しては、生産体制をさらに充実させることを盛り込みました。
3.「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果」の書き方
当欄のタイトルが意味していることは、5枚という枚数制限の中、自社・顧客・地域社会それぞれの効果ではなく、自社の効果だけを記載すれば良いと考えられます。
同店では、それぞれの取組みの効果を前述していましたが、当欄ではそれらを踏まえてどの程度受注数の増加が見込めるのかを記載しました。
このような内容でまとめた同店は、厳しい採択率の中、採択を勝ち取りましたが、片手間でテイクアウトを行うのではなく本腰を入れて行う姿勢と、「非対面型ビジネスへの転換」というテーマから逸れずに記載した点が評価された印象です。現在、同店はイートイン事業から撤退し、テイクアウト・デリバリーに特化した事業展開を行い、大きな成果を挙げています。
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