学習塾を営む同社代表は、学習塾運営会社に20年間勤務した後、10年前に創業しましたが、日々生徒によりよい授業を提供するためには何をするべきかと考える中、電子黒板を導入することにしました。
電子黒板は、インターネットや教科書上の図表・画像を、ディスプレイ用ホワイトボードに映し出し、それらの移動・拡大・縮小・保存などの他、書き込みなどもできるものですが、これを導入するにあたり、小規模事業者持続化補助金を活用することとしました。
そのために同社が作成した計画書を弊社が添削し、それを受けて同社は計画書をブラッシュアップして応募した結果、当補助金に採択されたわけですが、そのブラッシュアップのプロセスをご紹介していきます。
下図は応募時に作成する書類ですが、今回のコラムでは赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「4.補助事業の効果」を見ていきます。
1.「補助事業の効果」の書き方
(1)3者の効果を記載する
同社が当欄へ事前に記載してきた内容を拝見すると、補助事業の実施によって上昇が見込まれる売上高が記載されていました。受講単価と受講者数という売上高の根拠も盛り込まれており、非常に良いと感じましたが、さらに「補助事業の効果」の説得力を向上させるために、このような自社の効果の他に、顧客の効果、地域社会の効果も記載していただきました。
まず、顧客が同社を利用した結果が売上高になるわけですが、顧客が何らかのメリットを得ることができるからこそ同社を利用するわけです。そこで、この補助事業で電子黒板を購入し、活用することによって顧客が得られる効果を記載していただきました。
また、補助金の財源は税金ですから、同社を利用しない方の税金を同社は補助金として使う可能性も当然にあるわけです。よって、同社の補助事業によって、そのような方が得られる効果も記載していただきました。今回の場合ですと、より学習の効果が高まることから、同地域の生徒の学力が向上し、地域経済の発展に寄与できる人材が多数輩出される可能性が高まるといった内容が考えられます。
(2)利益の向上について記載する
前述の通り、同社は補助事業の実施によって上昇する売上高を記載していましたが、補助金は税金の再配分であるため、読み手としては、補助金を交付することで、その事業者における納税額の上昇を期待します。この納税額は利益からもたらされますので、売上高だけでなく、利益がどの程度向上するのかといった点も記載すると、補助事業の効果としての説得力が高まるでしょう。
売上がないと利益はありませんから、売上増加という効果を示すことは当然ですが、売上があっても利益がないと納税額の上昇は見込めません。よって、しっかり利益も見込めるということも、数字を使って示していただきました。
(3)定性的効果も記載する
売上高や利益といった数値で表すことのできる効果は定量的効果ですが、数値で表すことが困難な定性的効果も検討することにより、幅広く効果を洗い出すことが可能です。定性的効果の例としては、企業イメージ、顧客満足度、知名度、地域への貢献度などが挙げられますので、それらも検討していただきました。
このようにして計画書をブラッシュアップしていただき、採択となりましたが、同社の計画書の特徴として、元々自社にあった計画書の内容を流用した形跡が見て取れました。流用することに何の問題もありませんが、流用するべき欄に流用するべきであって、畑違いの欄に流用しても説得力は高くありません。計画書の使い回しをする場合に注意していただきたいと思います。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
弊社の1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
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