同店は、従業員4人の和食・洋食どちらにも対応する郊外型レストランです。売上の約5割を土日祭日に訪れる家族連れやレジャー客がもたらしていますが、より快適な店内空間を提供するために、既存の椅子を撤去し、幅広のソファータイプの座席(ベンチシート)を導入することとし、併せて広告宣伝を強化することにしました。
これら費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達することとした同店は、経営者が応募用の計画書を作成しましたが、弊社はそれをブラッシュアップする形でご支援し、結果として採択されました。
下図は応募時に作成する書類ですが、今回のコラムでは赤枠部分、様式3-1補助事業計画書②「Ⅱ.経費明細表」を見ていきます。
1.「経費明細表」の書き方
上図は同店が事前に書かれてきた内容ですが、その赤枠部分をブラッシュアップしていきました。具体的な内容は以下の通りです。
(1)「内容」は見積書に基づき細かく書く
まず、上図赤枠部分①ですが、小規模事業者持続化補助金<一般型>の公募要領には「審査の観点」として、事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているかという記載があります。
また、同補助金<低感染リスク型ビジネス枠>の公募要領には、補助対象経費が満たすべき条件のひとつとして、申請する補助対象経費については具体的かつ数量等が明確になっていることという記載があります。
これらを踏まえると、経費明細表を書くに当たっては見積書をとって、細かく記載する必要があります。同店の場合、チラシの作成・配布であれば、チラシの作成でいくらかかって、配布でいくらかかるのかきっちり切り分けて記載する必要があります。そのほかの項目に関しても程度問題ではあるものの、細かく書けるのであればそのようにする必要があります。
(2)「必要理由」を書く
次に上図赤枠部分②ですが、「内容」は書いているものの「必要理由」が書かれておりません。なぜ、ベンチシートが必要なのか、なぜチラシが…といった形で、内容だけでなく必要理由も記載します。
ここで単に「売上を上げるため」では、説得力が高まりません。ベンチシートであれば「3世代の顧客がゆったりくつろげることを通じて、客単価を向上させるため」といった突っ込んだ形で記載することをお勧めします。
(3)「回数」を書く
同店の場合、ベンチシートであれば、これを1台入れる予定でした。であれば、単価○○円という記載に留めず「○○円×1台」と記載する必要があります。1回、1台といった場合は、この「1」を省略しがちですが、しっかり記載したい部分です。
チラシの作成・配布であれば、1枚で済むはずはありませんので、こちらも回数として、チラシの枚数を記載していただきました。
このようにして、同店の計画書をブラッシュアップし、応募した結果、無事採択されたわけですが、同店が事前に作成された計画書の特徴として、書くべき欄に書くべきことを書いていないというものがあります。事業に対する想いが先行してしまうとこのような罠に陥りがちですので、留意していただければと思います。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
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