当コラムにおいて、小規模事業者持続化補助金の採択事例を多数ご紹介してきましたが、採択される計画書というものは共通点があります。よって、これまでご紹介してきた事例や、2021年の公募要領を参考にして、採択の可能性が高まる計画書の書き方をご紹介していきます。
以下は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際に作成する資料ですが、今回のコラムでは、その赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画> 「1.企業概要」を見ていきます。この書き方は<低感染リスク型ビジネス枠>にも活用できますので、そちらに応募を予定される方もご参考にして下さい。
1.「企業概要」の書き方
当欄は、他の欄に比べてタイトルの抽象性が高く、何でも書けてしまう欄ですが、そこに罠が潜んでいます。その一例として、計画書に盛り込む必要のないことや、他の欄に書くべきことを書いてしまうというものがありますが、当欄を読めば計画の完成度はある程度把握できてしまいます。
当欄の内容は「読み手に自社の概要を理解していただく自己紹介」であることを意識する必要がありますが、その具体的な書き方は以下の通りです。
(1)構成を決める
これは当欄に限りませんが、思いつくままに書き出すのではなく、予め構成を決めてから書き出すことで重複やヌケモレがなくなり、結果として読み手の理解が深まる可能性が高まります。
当欄の構成として、弊社がお勧めしているのは、【概要】【沿革】【立地】【売上・利益構成】です。これら項目の具体的な内容は以下の通りです。
(2)自社の概要を一文で述べる
【概要】に関しては「○○県◎◎市に立地する、△△を扱う創業●年の店舗」といった形で自社の概要を一文で述べ、ザックリとしたイメージを掴んでいただきます。ここを端的にまとめず、長々と書いてしまうとまとまりがなくなり、結果として読み手の読み込み意欲を減退させてしまうリスクを高めますので、気を付けたいところです。
(3)過去からこれまでのことを記載する
弊社では、より自社のことを理解していただくために、過去からこれまでのトピックをまとめた【沿革】の記載をお勧めしています。創業後のトピックが多くない場合は、経営者の経歴なども盛り込むと良いでしょう。
また、経営者やスタッフの他に、自社社屋や事務所の写真などを盛り込むと、よりリアリティを高めることが可能になります。計画書は8枚以内に収める必要がありますが、写真は場所をとるので、大きさや配置に工夫が必要です。沿革を箇条書きにすると右側のスペースが空きがちになるので、そこに写真を盛り込む配置にすることも一考です。
(4)地図を盛り込む
上述の、写真を盛り込む意義に関連しますが、【立地】を述べる際は文章に加えて、地図を盛り込むとビジュアル的に理解が深まりやすくなります。
この場合、自社の立地に縁もゆかりもない読み手であっても、イメージを湧きやすくするために、自社が立地する都道府県の場所が分かる日本地図、自社が立地する市町村の場所が分かる都道府県地図、自社が立地する場所が分かる市町村地図などを盛り込むと効果的です。ただし、繰り返しになりますが、計画書が8枚に収まるようにしなければなりません。
(5)売上・利益構成を盛り込む
日本商工会議所、全国商工会連合会では、海鮮居酒屋、カフェ、割烹料理店、宿泊業、旅行業、カラオケ店の記載例を公表していますが、以下は海鮮居酒屋とカフェの当欄における記載例です。
この記載例に盛り込まれている売上総額・利益総額の大きい商品の一覧表を記載することは、売れ筋商品とその規模が理解できるだけでなく、自社の今後注力していくべき商品を見出すことにも繋がります。
今回のコラムでは、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画> 「1.企業概要」を取り上げ、採択の可能性を高める書き方について述べました。次回は「2.顧客ニーズと市場の動向」について見て行きます。
2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします
弊社の1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓
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