先日、ある事業者が作成した計画書を見る機会がありました。それは、小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に応募するための計画書でしたが、一目見て採択されることは厳しいという印象を受けました。今回のコラムは、前回のコラムに引き続き、その計画書の内容だとなぜ採択が厳しいと感じたのか、採択が困難な計画書の特徴をご紹介します。
1.採択が困難な計画書の特徴
(1)事業の新規性が不明
小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>の公募要領を見ますと、1ページに【事業概要】として以下の記述があります。
小規模事業者が経営計画及び補助事業計画を作成して取り組む、感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させるポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に関する取組を支援するものです。
マーカーで色付けした部分が一つのポイントとなっていますが、当該補助金は新たな取組が対象となっています。ところが、今回拝見した計画書には、補助事業が新たな取組なのかどうか一切記載がありませんでした。
弊社では事業の新規性をアピールする際に、競合一覧表の作成をお勧めしています。競合他社の社名・住所・URL・特徴などを一覧表にまとめ、これら競合は当事業を実施していないから新規性がある、と述べることは説得力が高まると考えています。
(2)補助事業の具体性が不明
同社は、オンライン講座を提供したいと考え、webサイトを構築するために補助金を申請しようとしています。ですが、オンライン講座の提供とwebサイトにどのような関連があるのかを読み取ることができませんでした。
弊社では<補助事業計画>「2.補助事業の内容」を説明する際には、5W1Hの切り口から説明することをお勧めしています。つまり、同社の場合であれば、webサイトの構築が補助事業なわけですから、いつ(When)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どこで(Where)、どのように(How)webサイトを構築するのか記載するということです。
この切り口を用いれば「なぜ(Why)」や「どのように(How)」の部分で、オンライン講座との関連を説明できるはずです。
(3)記載するべき場所に記載するべき内容が記載されていない
同社は「2.補助事業の内容」欄に以下の内容を記載していました。
オンライン講座の提供により、固定費が圧縮されるとともに、対人接触がなくなる。講義の平均単価は約○万円なので、補助事業により売上高●●万円を見込むことができる。これは弊社売上高の約◎◎%であり、2,3年後には、弊社売上高の約△△%を占めるようになる。
これは「2.補助事業の内容」に書くべきものではなく「3.補助事業の効果」に書くべき内容です。スキーを楽しみたいと考えた女性が、ミニドレスを着てスキー場に行ったとしたら、周囲の人間は違和感を覚えます。スキー場でスキーをするならそれにふさわしい服装があるからです。
それと同様に当欄のタイトルが「補助事業の内容」であれば、それにふさわしいことを記載するべきであり、そうでないことが記載されていると読み手は違和感を覚え、混乱しがちになります。それは計画の理解を妨げ、採択の可能性は低いものになってしまうリスクがあります。
ここまで3回にわたって、なぜその計画書は採択が厳しいのかを述べてきました。今回は低感染リスク型ビジネス枠に応募する方の計画書を事例に取り上げましたが、基本的な考え方は一般型も変わらないはずですので、参考にしてみて下さい。
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