その美容室のコンセプトは「髪質改善」「髪質再生」であり、顧客の髪をより綺麗なものにするべくこれまで取り組んできました。そして、今以上に綺麗な髪の方を増やすべく、①ホームページの立上げ、②チラシの作成と新聞折込、③パンフレットの作成と配布、④会員カードの作成と配布を行い、広告を強化することとしました。
これらにかかる費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達することとした同店は、応募時に提出する計画書を作成しましたが、弊社はその作成した計画書をブラッシュアップする形でご支援しました。そこで、採択の可能性を高めるためにどのような観点から計画書をブラッシュアップしたのかをご紹介します。
今回のコラムでは、下図の提出書類一覧表の赤枠部分、「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。
1.「経営方針・目標と今後のプラン」記載の仕方
同店が事前に記載してこられた内容を拝見すると、【経営方針】【目標】【今後のプラン】と当欄のタイトルを踏まえた見出しを設けてまとめていたものの、当欄だけで4ページを費やしており、やや冗長な印象を受けましたので、以下の方法でブラッシュアップを図っていただきました。
(1) 【経営方針】は端的に記載する
「方針」をネット辞書でひくと「ある事をするのに当たって定めた、その行動や処置の方向・原則」と出てきます。よって【経営方針】は自社の目標に向かってどのような方向性で進むのかを示したものと言えます。
同店が記載してこられた【経営方針】は、対顧客、対従業員、対地域社会への経営方針が合計5つ記載されていましたが、その内容は「方向性」というよりも「自店がなりたい姿」である印象を抱きました。自店の方向性は端的であればあるほど、店内で共有しやすくなり、結果として浸透もしやすくなりますので、大きな「方向性」を検討していただきました。
(2) 【目標】達成の手段を【今後のプラン】に記載する
同店が【目標】として記載してこられた内容は、各年の売上高・客数・客単価目標を5年分記載した一覧表と、その目標を達成するためのポイントでした。目標の一覧表はこのままで良いと思いましたが、その目標を達成するためのポイントは、少なくとも【目標】ではなく手段ですので、【今後のプラン】の項目として記載していただきました。
(3) 【今後のプラン】が細かすぎないか検討する
同店が【今後のプラン】として記載してこられた内容は、大きく新規顧客集客策と既存顧客固定化策に分けられ、5年間の時間軸をとって、いつ何を行うのかがスケジュール表として記載されており、非常に良いと思いました。
その反面、各顧客層にどのような取組を行うのか、2ページにわたって文章で説明が盛り込まれており、冗長な印象を受けました。そこで、それらの取組について上述のスケジュール表に移動するものと削除するものに分けて、対応をしていただきました。
このようにして、同店が書かれてきた「4.経営方針・目標と今後のプラン」をブラッシュアップしていきましたが、次回のコラムでは<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。
2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします
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