ノベルティを販売する際のキャッチコピーの考え方

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思わぬヒットのトートバッグ

 行政の中小企業支援策として、色々な補助金がありますが、小規模事業者が販路開拓のために使用する費用の3分の2、原則として上限50万円を補助するのが小規模事業者持続化補助金です。

 弊社がご支援している雑貨店は、これを利用して自社オリジナルのトートバッグを750個作成し、上得意客2,000名にダイレクトメールを発送し、これを店頭に持参された先着750名に、このトートバッグをプレゼントする企画を立てました。

 これを実施したところ、ダイレクトメールを持参した顧客は1ヶ月半で750名に達し、準備したトートバッグはなくなってしまいました。

 ダイレクトメールには「先着750名様にトートバッグを差し上げます」と記載していますが、その後もこのダイレクトメールを持参する顧客は途絶えません。トートバッグはなくなってしまい、お渡しできないことを丁重にご説明して、何とかご了承いただいています。

 このトートバッグはSNSでも話題となり、有料でも手に入れたいという声が上がりました。そこでトートバッグを200個、追加発注し有料で販売することとしました。そこで今回のコラムでは、このような場合に、どのようなキャッチコピーが有効か、考えてみたいと思います。

バンドワゴン効果

 バンドワゴンとは、パレードの先頭車両を指し、「バンドワゴンに乗る」とは、時流や流行に乗ることを意味します。店舗前の行列を見てそれに並ぼうとする心理や、ネット上に数多くの良い口コミが掲載されている店舗に行きたくなるなど、大勢の人が欲しているもの、利用したことのあるものに対する需要が高まる効果です。

 よって、上述の雑貨店は、多くの顧客が短期間でトートバッグを欲しがったこと、つまり「1ヶ月半で750個が飛ぶようになくなったこと」を訴求することにより、バンドワゴン効果を得ることが可能となります。

 そして、このバンドワゴン効果を大きくするために、次の効果を理解しておく必要があります。

スノップ効果

 スノップとは気取り屋、お高い態度といった意味があり、スノップ効果とは、他人が得られないもの、持っていないものが欲しいという心理によって、少数の人しか得られない商品の需要が増大する効果を指します。つまり、バンドワゴン効果と相反する効果です。

 よって上述の雑貨店は、トートバッグがやっと数量限定で入荷したこと、つまり「ようやく200個のみ入荷した」ことを訴求することにより、スノップ効果を得ることができます。

 そして、次のようにバンドワゴン効果とスノップ効果を組み合わせることにより、効果が大きなものとなります。

バンドワゴン効果+スノップ効果

 これらの効果を組み合わせると以下のキャッチコピーができます。

 「わずか1ヶ月半で750個が飛ぶようになくなったあのトートバッグ。ようやく200個だけ入荷しました!300円でお分けします。」

 この雑貨店はこのキャッチフレーズで販売することとしました。今後、このような同店でしか売っておらず、需要の高いトートバッグを使ってさらに仕掛けていくわけですが、このような展開ができる道筋ができたという点で、補助金の使い方としては大成功だったと言えるでしょう。

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