クレーム発生時の心構えは、反応ではなく対応すること

経営の姿勢

宅配便を巡る不可解なコンビニエンスストアの接客

 先日、締め切りのある仕事を終え、取引先へその成果物である書類を宅配便で送ろうとしました。この取引先とは長年のお付き合いがあり、同様のお仕事を何度もいただいておりました。これまで締め切りに間に合わなかったことは無かったのですが、今回初めて間に合わなくなったのは、いつも宅配便の発送で使用しているコンビニエンスストアに原因がありました。

 今回の仕事の締め切りは火曜日でしたので、前日の月曜日17:00までに発送手続きをすれば間に合っていました。
 今回も同様に、月曜日のお昼前にそのコンビニに持って行きました。すると、店舗スタッフがレジへ入力をしながら「明日の火曜日にはお届けできません。水曜日のお届けとなります」と言いました。

 これでは締め切りに間に合いません。今までは月曜日の17:00までに出していれば火曜日には到着していました。なぜ、今回に限って水曜到着となるのかを伺った際の店舗スタッフの発言は「システムがそうなっているのです」でした。

 納得できない私と店舗スタッフのやり取りです。
 「今後も月曜17:00までに出しても火曜には到着しないのですか」「はい、そうです」
 「それは、このコンビニチェーンだったらどこでもそうなのですか」「はいそうです」
 「いつからそうなったのですか」「わかりません」

 私は、釈然としない想いを抱えながら、火曜ではなく水曜到着という前提で宅配便の発送手続きを行い、取引先へ事情をお伝えし、納期遅れを了承していただきました。

コンビニエンストアのチェーン本部への問い合わせ

 とはいうものの、これまで一度も納期遅れを発生させたことのない私は、今回の出来事により、屈辱とも言うべき感情を抱きました。そこで、そのコンビニエンスストアのチェーン本部へメールで問い合わせをしたところ、当日中に回答がきました。

 宅急便は1日に2回、コンビニエンスストアへ集荷に訪れるのですが、私が店舗へ行ったのは、1回目の集荷を終え、これから2回目の集荷を待つ時間帯でした。よって、本来は2回目の集荷に間に合うので、翌日には到着するはずでした。
 ところが、1回目の集荷を終えた際に、店舗スタッフが2回目の集荷を終えたとシステムに入力してしまうというミスを犯したため、当日の1回目集荷を終えた後の集荷は全て翌日扱いとなってしまったのだそうです。

 前述の通り、私と店舗スタッフは以下のやり取りをしていました。
 「今後も月曜17:00までに出しても火曜には到着しないのですか」「はい、そうです」
 「それは、このコンビニチェーンだったらどこでもそうなのですか」「はいそうです」
 これは虚偽の回答ということになります。

本部が担う役割

 最寄駅そばという好立地を理由にこの店舗を使っていましたが、過去には、同じ店舗で「宅配便の取り扱いは教わっていない」という理由で、アルバイトと思しき店舗スタッフに発送を断られたこともあり、完全にこの店舗に不信感を抱いた私は、今後この店舗を使用した宅配便の発送は止めようと思いました。
 非常に残念であることを本部にお伝えしたところ、以下の内容のメールが返ってきました。

 ・今後は、店舗スタッフ全員で情報共有を図ること
 ・本部の店舗担当者より従業員へ厳重に指導すること
 ・オペレーションの再確認を行うこと

 そして、「今後同様のご指摘をいただくような愚をおかさぬよう、より良い商品、サービス、接客をご提供出来るよう、店舗一丸となって、なお一層の努力をして参る所存ですので引き続き○○店をご利用頂けたら幸いでございます。」と結ばれていました。

 「対応」は予測に基づく行動であり、「反応」は結果に基づく行動です。この本部は「顧客を失うかもしれない」という予測のもと、対応をしていることが分かります。なぜなら、今後自社がとるべき行動を示しているからです。
 「クレームが発生した」という結果に対して反応だけをするのであれば、状況説明で終わっているはずです。

 今回のコンビニエンスストアチェーン本部とのメールのやり取りを通じて、この本部は、現場のフォローをするという本部の役割を強く意識されている印象を受けました。反応ではなく対応をしているという点で、好事例と言えるでしょう。
 【本部に関する参考記事】
 本社と現場の温度差
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