柔軟性のある接客
弊社が現在ご支援している飲食店は、店内で販売しているサバや焼き鳥などの缶詰を使い、顧客の好みにあった料理を提供しています。私は昨日、この店舗でサバ缶をチョイスし、「これで何か作ってください」と言ったところ「パスタに合わせましょうか」と提案され、「サバ缶パスタ」をいただいてきました。
このような柔軟性のある接客は、その顧客自身にアレンジされたものという点で価値があり、顧客満足を向上させます。
接客の固定化により失うもの
ある化粧品店の売場には、店内の入り口に3色のブレスレットが用意されていて、色別に顧客がどのような接客を求めているのかを主張できます。
ちなみに「白→急いでいる」、「ピンク→声を掛けてほしくない」、「緑→カウンセリングを希望する」という主張です。
この取組みは一時期話題になりましたが、接客の柔軟性が喪失されることも指摘されていました。声を掛けてほしくない顧客が「ピンク」のブレスレットをつけて店内を見ているうちに、スタッフにちょっと聞きたくなったことがあっても、わざわざ「緑」のブレスレットに付け替えることは、まずしないでしょう。柔軟性を失った結果、販売機会も失うと考えられます。
何よりも、スタッフが顧客の意向を察知するという「察知能力」が養成されなくなります。顧客が発する無言の要望をスタッフが察知し、かゆいところに手が届く接客をする。このような「おもてなし」接客は、日本ならではの接客と言えるでしょう。
フォーカスすべきこと
では、このような察知能力はどのように養成していけばいいのでしょうか。一般的な野球の監督は、バッターボックスに向かう打者に「ボールをよく見ろ」と言います。しかし、優秀な野球の監督は、「ボールの縫い目がどちらの方向へ回転していたか、後で教えてくれ」と言います。つまり、具体的な行動にフォーカスするのです。
よって、顧客行動の察知能力を向上させるには、「顧客の何を察知したか後で教えてくれ」、「顧客の要望を察知して何を行ったか教えてくれ」といった問いかけを日々投げかけ続けることが重要だと思います。
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