ベクトルは誰に向いているのか
先日、各方面の専門家が集まる交流会に参加してきました。交流会ですから名刺交換をするわけで、いただいた名刺から会話の糸口を探りますが、私の場合は、基本的に以下のような5W1Hを伺うようにしています。
いつから仕事をしているのか(When)
どこで仕事をしているのか(Where)
だれが主要顧客層なのか(Who)
なにを仕事としているのか(What)
なぜその仕事をしているのか(Why)
どのように仕事をしているのか(How)
会話の中からこれらを引き出し、私との接点を探っていきます。そういった中で、先日の交流会で名刺交換をした人は、2タイプに分けられることに気付きました。
それは、「質問に答えるだけの人」と「質問に答えつつ質問をしてくる人」です。
「質問に答えるだけの人」は、私からの質問に対してハキハキと専門家としての知識を散りばめて回答します。しかし、私に向けての質問はありません。ご本人は自己アピールに一生懸命なのでしょうが、ベクトルが自分だけに向いていて、相手に向いていない印象を受けます。
これに対して、「質問に答えつつ質問をしてくる人」は、ベクトルが相手にも向いている人であり、話が盛り上がり、相互理解が深まります。
では、仮に私が、お仕事を依頼する際は、どちらの人が有利なのか、ということです。いくら専門性が高くても相手にベクトルが向かない方には、お仕事は依頼できないものです。人間である以上、好感の持てる人、相互理解が深まっている人に仕事を依頼するものです。
接客時の会話
ロードサイド店舗にも、このことは当てはまります。来店客の都合を無視して、売らんかな、といった販売員の姿勢は、顧客の購買意欲を喪失させます。
顧客へベクトルを向けた接客は、前述の5W1Hをさりげなく引き出した上で、最適な提案をすることでもあります。例えば、以下の内容を引き出すための会話を考えて接客することです。
その商品はいつから使うのか(When)
その商品はどこで使うのか(Where)
その商品はだれが使うのか(Who)
その商品でなにを解決したいのか(What)
その商品をなぜ使うのか(Why)
その商品をどのように使うのか(How)
これらの回答を引き出すことができれば、その顧客にとって最適な提案が出来る可能性が高まり、結果として顧客の購買意欲が高まるでしょう。
顧客にベクトルを向けるということは、顧客に関心を持つ、ということです。相手に関心を持つ、という点に関しては、モチベーションアップの方法も参考にして下さい。
なお、会話をしたくない顧客や、提案自体を必要としない顧客、販売員との心理的距離を縮めたくない顧客など様々な顧客がいますので、その顧客に応じた対応は必要です。「立地」も重要ですが「察知」も重要ということです。
さて、貴店では、顧客の5W1Hを引き出すために、顧客とどのような会話をしていますか?
メルマガ会員様募集中
メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。
登録はこちらから
↓↓↓
電子書籍のご案内
1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編~人材が育つ職場と人材に見放される職場の境界線~
2020年3月15日発行 定価1,055円