顧客ニーズに応える売上の高い理容店5つの条件

戦略の考え方

 理容店の廃業が目に付くようになってきました。かつては現金商売ということもあり、廃業するケースはさほど多くなかったと聞きますが、昨今は、低価格をウリにする理容店や、美容室の男性客獲得を目的とした取組みなどにより、競争環境は厳しいものとなりつつあります。今回のコラムでは、そのような中、しっかりと顧客ニーズに応え、売上を確保できる理容店となるための条件を見ていきます。

1.顧客ニーズに応える理容店の条件

顧客ニーズに応える売上の高い理容店の条件(1)入りやすい

 弊社の近隣に立地する理容店が先月末日で閉店しました。中心市街地のど真ん中という好立地かつ、非常に業歴の長い印象の店舗でしたが、昨今は、傍目からも経営が厳しそうな印象を受けていました。

 この店舗の特徴の一つに、外から中が一切見えない店構え、つまり開放感ゼロという点があります。開放感については儲かる店の特徴も参考にしてください。

 そのような理容店がある反面、近隣には、非常に予約が取りにくい人気店もあります。その特徴の一つに、店舗正面がすべてガラス張り、つまり開放感が非常に高いという点があります。美容室は開放感が高いケースが多いのですが、理容店で開放感をここまで上げていると、美容院と見紛う顧客も少なからずいるそうです。コンビニエンスストアが好事例ですが、店内の様子が分かりやすいと、やはり入店はしやすいわけです。

顧客ニーズに応える売上の高い理容店の条件(2)時代の流れに乗っている

 私は、月1回の散髪を毎回違う店舗で行ってもらっていますが、キャッシュレス決済の流れが進行する中、クレジットカードや電子マネーの使える理容店は決して多くありません。クレジットカードで税金や公共料金の支払いができる時代に、散髪代をキャッシュレスで決済できないことに不可思議な印象を抱いています。

 「クレジットカードや電子マネーで支払われると手数料が痛い」と言う事業者がいますが、肉を切らせて骨を断つという言葉があるように、手数料を惜しんだことで、より大きな売上を逃している可能性があるのではないでしょうか。繰り返しになりますが、世の流れはキャッシュレスなのです。

顧客ニーズに応える売上の高い理容店の条件(3)差別的優位性を訴求している

 理容店のライバルは、同業である理容店の他に美容室があります。理容店ができて美容室ができないことは顔剃りです。これを女性へ提供出来ることを訴求している店舗はやはり集客力があるようです。さらに「できる」だけではなく、それを「伝える」ためにインターネットやチラシなどを活用する必要があります。

顧客ニーズに応える売上の高い理容店の条件(4)インターネットを活用している

 SNSやブログをホームページ代わりにしている事業者が多い印象がありますが、それらで代用せず、しっかりとした自社ホームページは持っておきたいところです。ネット上での名刺とも言うべきホームページの代わりにSNSやブログを使っていては、事業に対する姿勢を疑われても致し方ありません。今や、ホームページを持つことは、身だしなみと言っても良いでしょう。

 もっとも、ホームページさえ持てば売上が上がるわけでもないので、ホームページの内容も当然のことながら充実させる必要があります。最新情報の更新、料金、営業時間、店内の様子、経営理念、働くスタッフ、お客様からの声などの情報を掲載しましょう。経営理念、働くスタッフの情報に関しては、以下のコラムを参照してください。

 また、予約の受付もインターネットを活用することをお勧めします。電話での予約受付は、接客を中断しなければなりませんし、営業時間外には予約を入れることが困難です。電話する側としても3コール以内に出てもらえないと「忙しい時間なのではないか」と顧客に心理的な負担をかけてしまうリスクがあります。ネットの予約はこれらの問題を解決することが可能です。

顧客ニーズに応える売上の高い理容店の条件 (5)手ぶらで返さない

 散髪して、代金をお支払いいただいて、終わり。これでは新規顧客がリピーターになる可能性は高くはないでしょう。リピーターにするには、リピートしたくなるツールを活用することが効果を高めます。繁盛店は、割引券やスタンプカードを活用しています。また、店頭でのニュースレターの発行も検討すると良いでしょう。ニュースレターに関しては、以下のコラムを参照してください。

 今回のコラムでは、顧客ニーズに応える売上の高い理容店の条件として(1)入りやすい、(2)時代の流れに乗っている、(3)差別的優位性を訴求している、(4)インターネットを活用している、(5)手ぶらで返さない、を挙げました。

 これらはとてつもなく新しいことではありません。当たり前(A)のことを馬鹿(B)にしないでちゃんと(C)やる、というABC理論を地道に行うことが重要と考えますが、いかがでしょうか。

2.当コラムの解説動画

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