「さん」付けで呼ぶべきか、「先生」と呼ぶべきか
昨日、ある経営者と食事をした際の話です。今後、その企業をご支援していくに際し、経営者として、私をどのように呼べば良いのか、というご質問を受けました。具体的には「三上さん」と呼ぶべきか「三上先生」と呼ぶべきか、というご質問です。
これは、今後、こちらの企業に勤務する社員の方々をご指導する際に、経営者が「三上さん」と呼んでいるシーンを社員が見たら、彼らは私を軽く見てしまうのではないか、と危惧しての質問でした。
ここで、「先生」と呼びさえすればリスペクトしたことになるのか、という疑問が湧きます。
「先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし」という川柳があります。「先生、先生」と呼んでいながら、実はその「先生」を軽んじており、持ち上げて自分の思うとおりに動かそうという意思を持った方々や、「先生」と呼ばれて天狗になる方々を揶揄したものです。
よって、私はそのことをお伝えした上で、どちらの呼び方でも良いと回答したところ、経営者は「三上先生」と呼ぶことに決めました。
本心は呼び方で繕うことができない
反面、形から入って意識を醸成させていく方法も一考ではあります。
かつて、ガソリンスタンドに勤務していた頃、ガソリンのメーカーに勤務する方が「ガソリンスタンドに来る『客』は・・・」という発言から「『客』じゃないでしょ、『お客さん』でしょう」と返して、論争になったことがあります。
日常会話で出るふとした発言は、発言者の本心を如実に表します。顧客には「お客様」と声を掛けていながら、裏では「客」と呼び捨てにしているようでは、顧客を軽んじていると判断せざるを得ないでしょう。
お客様という存在の重要性
「お客様は私たちの給料を払ってくれている。だからお客様は大事なんだ」と社員に訴える経営者・管理者がいます。しかし、社員の給与額を決め、それを口座に振り込むのは会社である以上、この訴えが、社員に響く可能性は低いです。
お客様が大事な理由は人それぞれ違っていて当然です。よって、「お客様はなぜ大事なのか」を社内で議論することは、改めて顧客の重要性を認識できるとともに、他の社員が持つ価値観の認識や、部門を越えたコミュニケーションにも繋がります。お客様という存在の重要性を議論することは、店舗を強くする前提と言えるでしょう。
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