どこのガソリンスタンドでも、入店客が連なる時があります。あるフルサービスのガソリンスタンドで働くアルバイトスタッフは、そのような場合に慌ててしまい優先順位通りに接客ができません。
このようなラッシュを上手くさばくことができると、顧客満足度も低下しにくくなリ、収益性の向上にも繋がりやすくなるわけですが、どのようにしたら1人で数台を回せるのか悩んでいました。
ガソリンスタンドの現場を長らく経験してきたスタッフでしたら、複数台の接客も何となく上手くこなすことができてしまいますが、キャリアの浅いスタッフはそうはいきません。
知識には、言葉にすることが困難な暗黙知と、言葉にすることが可能な形式知がありますが、形式知でありながら言葉にしていない知識がベテランスタッフには沢山あります。冒頭のアルバイトスタッフの悩みは、ベテランが実施している複数台の接客方法を形式知化し、共有していくことで解消が可能となります。
そこで今回のコラムでは、このようなラッシュ時に作業効率を向上させる具体的な方法を探るべく、ベテランスタッフのノウハウを形式知化して見ていきます。
ガソリンスタンドの作業効率を上げる方法1:基本的に入店順に対応する
接客の大原則は、入店した順に接客をし、入店した順に退店していただくことです。まずは、この意識を持つことが重要です。ただし、後から入店された顧客への気配りもしないと給油前に退店されるリスクが発生します。
よって、入店した順に給油を開始し、給油中に窓を拭いたり車内のゴミ捨てをしたりしている中、違う車両が入店されたら、とりあえず後に入店した車両の受注をして給油を開始し、元の車両に戻り、途中になっている窓拭きやゴミ捨てを再開します。この基本原則を踏まえた上で以下に示す方法をとります。
ガソリンスタンドの作業効率を上げる方法2:窓拭きは会計後に実施する
最初に入店した車両に給油開始をした後に、入店車両が連なった場合、入店順に給油開始をすることは前述の通りです。そうしているうちに、最初に入店した車両の給油が終わっていることがあります。この場合、最初に入店した車両の給油を完了させた上で「車内のゴミはありませんか」と伺います。
そして「これから窓拭きをしますので、先に会計をお願いしてもよろしいでしょうか」とお願いして、会計を先に済ませます。この時点で急ぐ顧客は窓拭きを断りますので、作業時間の短縮になります。
そのような中、給油ノズルを差しっぱなしにして給油できないオートバイが入店することがあります。この場合の対応を以下に示します。
ガソリンスタンドの作業効率を上げる方法3:すぐ終わる顧客を優先する
給油ノズルを差しっぱなしにして給油できないオートバイは、窓拭きや車内のゴミ捨てを行う手間がありません。よって、このようなすぐに給油が終わる車両の対応を優先させることで、後ろで待つ顧客の給油を開始することが可能となり、給油前に退店するリスクを軽減することが可能となります。
今回のコラムでは、フルサービスのガソリンスタンドの作業効率を上げる方法として、1.基本的に入店順に対応する、2.窓拭きは会計後に実施する、3.すぐ終わる顧客を優先する、を挙げました。
このような対応をキャリアの浅いスタッフが行うことができれば、販売力の高いベテランスタッフは利益率の高い洗車やエンジンオイルといった油外商品の販売に軸足を置くことが可能となります。結果として、収益性の向上が期待できますので、管理職はこれらの手法を全スタッフに広めておく必要があるといえるでしょう。
メルマガ会員様募集中
メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。
登録はこちらから
↓↓↓
電子書籍のご案内
1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編~人材が育つ職場と人材に見放される職場の境界線~
2020年3月15日発行 定価1,055円