ガソリンスタンドには、古典的な現金会員の他に、メール会員などの会員制度がありますが、油外商品と呼ばれるガソリン以外の洗車やオイルなどの販売により客単価を向上させるには、持ち合わせがなくてもこれらを購入することができるクレジットカード会員が有効であることに議論の余地はないでしょう。
そして、来店客にクレジットカード会員の勧誘を行い、大きな成果を出している店舗もあれば、一向にクレジットカード会員が増えず、業績が下降傾向の店舗もありますが、当コラムでは、クレジットカード会員を増加させるコツを見ていきます。
1.儲かるガソリンスタンドがやっているクレジットカード勧誘のコツ
儲かるガソリンスタンドがやっているクレジットカード勧誘のコツ(1)申込の手間を軽減する
顧客がクレジット会員になるには、当然のことながら専用のクレジットカードを申し込む必要がありますが、多くの場合、申込書に押印をする必要があります。また、代金引落しに使用する銀行の口座番号などを記入する必要もあります。
ガソリンスタンドに来店する顧客で、印鑑を持参している方や通帳を持ち歩いている方は、決して多くはない印象があります。そこで、カードを申し込もうとした場合、申込用紙を持ち帰って押印し、口座番号を記入して後日持参か郵送していただく、という形をとるケースがほとんどです。この手間がクレジットカード会員の勧誘のハードルを上げているというガソリンスタンドは多いのではないでしょうか。
あるガソリンスタンドでは、クレジットカード会社と協議の上、申込用紙への押印を手書きのサインで代替できることとし、また、口座番号を記入せずともカードは発行できることとしました。カードは後日、口座引落し手続きの書類とともに顧客宅へ郵送され、当該書類の返送がない状態でカードを利用すると振込用紙が送られてくるという仕組みです。これにより、店頭での申込にかかる手間がかなり軽減され、クレジット会員数が上昇しました。
儲かるガソリンスタンドがやっているクレジットカード勧誘のコツ(2)顧客を構えさせない
あるガソリンスタンドでは、クレジット会員に申し込んでいただく顧客専用のブースを店内に設置し、スタッフの勧誘によりクレジット会員申込の意向を示した顧客を当ブースご案内するようにしていました。ですが、なかなか申込の意向を示す顧客がいませんでした。
店舗側としては、クレジット会員になっていただければ、客単価が上昇する可能性が高まるため、申込の意向を示す顧客には、特別待遇をするべく専用ブースを設けたのでしょうが、顧客としては、その特別感に抵抗を覚える方もおられたようです。
いまや、国民1人が3枚以上のクレジットカードを持っており、クレジットカードを作ることは特別なことではないはずです。これを認識していた、別のあるガソリンスタンドでは、待合室や給油中の車内で申込書を書いていただくことにより、カードを気軽に申し込めるという認識を醸成し、成果を出しました。
儲かるガソリンスタンドがやっているクレジットカード勧誘のコツ(3)スタッフを構えさせない
クレジット会員は、上得意客になり得ます。そこで、頻繁に来店する方だけを勧誘していると、いずれ見込み客が尽きてしまいます。全ての顧客に気軽にクレジット会員制度を紹介する、というスタンスが必要でしょう。
スタッフにとって、クレジットカードの勧誘を特別なものにせず、当たり前のルーティン業務にすることにより、勧誘のための声掛け数も増加することになります。あるガソリンスタンドでは会計後に、全ての顧客に対してクレジット会員のご案内チラシを渡すことを徹底した結果、当該会員が飛躍的に増加しました。
今回のコラムでは、儲かるガソリンスタンドがやっているクレジットカード勧誘のコツとして(1)申込の手間を軽減する、(2)顧客を構えさせない、(3)スタッフを構えさせない、を挙げました。経営者や店長は、クレジットカードを申し込みやすくするための制度設計をしていくことにより、クレジット会員数の拡大が可能となり得ることを意識して取り組んでいただきたいと思います。
2.当コラムの解説動画
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