コンビニの営業時間に国が介入?
経済産業省が開いた有識者検討会で、コンビニエンスストアの年中無休24時間営業について店舗の事情に応じ、柔軟に見直すべきだと指摘がありました。これは、コンビニのフランチャイズチェーン(FC)本部やコンビニオーナーに大きな影響を与える可能性があります。
ここで、国は自身の要請をFC本部に「盲目的に」受け入れさせようとしていないかが気になりました。併せて、FC本部も自身の要請をコンビニオーナーに「盲目的に」受け入れさせようとする姿勢がないかが気になりました。今回のコラムでは、これを踏まえて生き残るガソリンスタンドの経営を検討してみます。
あるガソリンスタンドの24時間営業中止の背景
ある24時間営業のガソリンスタンドがありました。なぜその営業時間なのかというと、メーカー(元売り)から要請があったためです。この要請にガソリンスタンドの運営会社は盲目的に従いました。
なお、元売りからその要請が出るまでの営業時間は、7:00~23:00でした。なぜその営業時間だったのかというと、そのガソリンスタンドを運営する会社の営業部長が7:00~23:00にするべきと現場に要請したからです。ちなみにその営業時間には何の根拠もありませんでした。強いて挙げれば、セブンイレブンの営業時間が7:00~23:00ということぐらいです。現場はこれに対して盲目的に従いました。
さて、元売りの要請を受け、24時間営業を開始したこのガソリンスタンドは、結果として思うような成果が出ることなく、24時間営業を中止することとなり、一旦雇用した深夜勤務のスタッフを早々に解雇したため、深夜スタッフの募集・育成に費やした費用は無駄になりました。
このように、元売りの要請にガソリンスタンド運営会社が盲目的に従い、その運営会社の部長の要請に現場が盲目的に従っていては、良い結果を出すことは困難です。そこで、元売り、運営会社、現場が意見を述べ合い、根拠のある営業時間にしなければなりません。
よって、元売りは自身の要請に対する運営会社の受け入れ方に注意を払い、運営会社は自身の要請に対する現場の従い方に注意を払い、盲目的になっていないか、ちゃんとそれぞれの立場から意見を言っているかどうかを見極める必要もあります。机上の空論や正論だけで事業展開は上手く行かないことはここに示すまでもありません。
インターネットが普及した理由
今やインターネットは生活に欠かせないインフラとなっていますが、ここまでインターネットが普及した理由のひとつに「双方向性」が挙げられるはずです。情報の発信者に対して、受信者がその声を届けることができるため、発信者は受信者の声を反映した活動をすることが可能であり、結果として双方の満足度が高まるからです。
同様に、元売り、ガソリンスタンド運営会社、現場のそれぞれが、それぞれの立場から声を挙げ、各者がそれを尊重して、摺り合わせを行い、最適解を見出していくことこそ、それぞれが担う役割の重要性と言えるのではないでしょうか。
特に中間地点にいるガソリンスタンド運営会社は「相手が意見を聞いてくれない」と嘆くだけでなく、どうしたら意見に耳を傾けてくれるかを検討することこそ、川上・川下両方の強みを活かして生き残ることが可能と考えますが、いかがでしょうか。
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