自行の常識を疑い復活したメガバンク
あるメガバンクは、かつて業績不振により経営破綻の危機に瀕し、2兆円もの公的資金の注入を受けました。それとほぼ同時期に、社外から取締役を招聘し、経営の立て直しを図りました。
その社外取締役の指摘は「なぜ午後3時が閉店時刻なのか」「なぜ行員は座ったまま顧客を立たせて接客するのか」というものでした。
このような「銀行の常識は世間の非常識」を指摘された同行は、業務の見直しを図りました。結果として、早期に復活を果たすことができ、予定を前倒しして公的資金を全額返済することもできました。
常識を疑って改善を図った事例
あるガソリンスタンドでは、何年もの間、開店から閉店まで正社員を最低1名、店舗に駐在させていました。その結果、正社員の労働時間が異常に長く、休日は異常に少ない状況を招いていました。そこで、実力と資格のあるアルバイトさんに閉店を任せることにより、正社員が閉店まで勤務する状況を無くし、労働環境は劇的に改善しました。
また、解禁当初のセルフサービスのガソリンスタンドでは油外商品は洗車以外売れない、という認識が業界内にありました。しかし、顧客が給油中にタイヤの空気圧を点検して差し上げ、それをきっかけに油外商品の販売に活路を見出した店舗もあります。
さらに、ガソリンスタンドでは雨の日に洗車をする顧客はほとんどいないことから、そのような天候の日は、洗車のお勧めを控えます。しかし、あるガソリンスタンドでは、「洗車のお勧め」ではなく「当店の洗車メニューのご紹介」をどんな天候の日でも行うこととし、「当店では、〇〇円より洗車のコースをご用意しており・・・」という声掛けを行い、洗車収益を上げました。
このように、自店の常識を疑うことにより、様々な効果が生まれる可能性が高まります。
自店の常識を疑うには
自店に長く勤務している人ほど、自店の常識に気付くことが困難となります。よって、冒頭のメガバンクのように外部の目を入れることがポイントです。また、入社して間もない社員やアルバイトさんは新鮮な視点を持っていますので、経営者や店長が、そのようなスタッフに積極的に話を聞くのも、自店の常識を疑う良い機会になるでしょう。
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